日本LCA調査 スタチン製剤、後発品変更には否定的
公開日時 2003/06/18 23:00
負担が少ないことを薬剤選択の理由にあげる患者はわずか0.8%――。コンサ
ルタント会社の日本エル・シー・エーが6月18日までにまとめた調査で、こん
な結果が明らかになった。スタチン製剤の後発品が7月に発売されることから、
高脂血症患者を対象に調べたもの。3人に2人は現在の処方薬に満足しており、
「安くなるなら変更してもいい」と答えた患者が希望する平均軽減額は、月額
で2300円を超えていた。
調査は同社が運営するサイト「わたしの病院」に登録する約13万人の中から、
高脂血症患者507人を無作為抽出して実施。それによると、現在服用している
スタチン製剤について、「満足」「やや満足」と回答したのは64.2%で、「不
満」「やや不満」は12.1%にとどまった。
処方してほしい薬剤を聞いたところ、「副作用が少ない」が58.6%、「コレス
テロール低下効果が強い」が28.6%、「心血管系リスクの低下を証明したもの」
が10.1%だった。最も低かったのが「安い薬剤」で0.8%、安価だけでは患者
のニーズが満たせないことが分かった。さらに後発品に安心感を持つのは8.9%
(先発品は61.6%)、品質の高さを支持したのは16.6%(同56.8%)と低かっ
た。
先発品から後発品への処方変更に対しては、21.3%が「不安は感じるが負担額
が安くなるのであれば変更してもいい」としたが、軽減を希望する額は平均で
月2319円と大きく、実際に後発品への移行で予想される軽減額の約300円とは
相当の開きがあった。