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サノフィ 営業支援AI「Turing」MRの9割が継続使用 AI活用の有無で「はっきりと売上貢献に差」

公開日時 2026/04/15 04:52
サノフィの岩屋孝彦代表取締役社長は4月14日の事業戦略説明会で、日本法人の25年売上高が前年比4.5%増の2404億円となったと報告した。2型炎症反応抑制治療薬・デュピクセントや、血友病A治療薬・オルツビーオなど主力製品が伸長し、「既存のポートフォリオの成長・拡充に加え、開発パイプラインも前進させることができた」と強調。26年もデュピクセントを中心に売上拡大を図る方針を示した。また26年は全社的なAI活用の推進で成長を後押しする考えを示した。MRの営業支援システムとして導入した「Turing(チューリング)」と呼ばれるAI活用のオムニチャネルエンジンは、「9割のMRが継続して使っている。使用率はグローバルでも日本がトップ」と明かし、生産性向上と売上貢献への期待感を表明した。

同社が「成長ドライバー」と位置付けるデュピクセントについて岩屋社長は、「6つの疾患に対する適応で、合わせて15万人を超える患者さんに提供し、日本で3番目に売上げが大きな薬剤へと成長した」と胸を張った。26年3月には水疱性類天疱瘡で初の生物学的製剤として7つ目の適応追加承認を取得。抗CD38モノクローナル抗体・サークリサも、25年2月に多発性骨髄腫の一次治療に対する適応追加を取得するなど、成長を牽引している。

岩屋社長は26年の見通しについて、「今年もサノフィジャパンの製品パイプラインは着実に前進をしている」と強調。デュピクセントの小児特発性慢性蕁麻疹への承認や、サークリサの皮下注射製剤、高用量インフルエンザHAワクチン・エフルエルダの承認・定期接種化などを予定しているとした。

◎AI「徹底的に活用」 世界経済フォーラムの「MINDsプログラム」での評価が自信に

こうした製品展開を支えるAI活用について岩屋社長は、「ベストインクラス、ファーストインクラスのイノベーションを日本の患者さんにより早く提供するため、徹底的に活用している」と述べた。同社は、①研究開発など専門領域を深化させる特化型の「エキスパートAI」、②日常的な業務のアウトプットや生産性を向上させる「生成AI」、③誰もがデータを簡単に取得・活用できる「スナッカブルAI」―の3本柱で全社的なAI活用を推進している。

この取り組みは世界経済フォーラムの「MINDsプログラム」において、バイオファーマ業界から唯一選出されるなど評価を受けた。岩屋社長は、「研究開発から製造、サプライチェーン、コマーシャルまで、エンドトゥーエンドでフルバリューチェーンにAIを開発導入したことが、業界初の取り組みとして評価された」と説明。「今後も、(AI活用の)先進企業として取り組みを進めていきたい」と意欲を示した。

◎AIを活用するMRとそうでないMR 「はっきりと売上貢献に差が出ている」

同社執行役員でジェネラルメディスンビジネスユニットの刀根恵子ジェネラルマネージャーはAI活用による生産性向上へのインパクトについて、「Turingをたくさん使うMRのグループとそれほど使っていないMRのグループを比較したときに、はっきりと数字で見える形で売上貢献に差が出ている」と強調。また、「Concierge」(コンシュルジュ)と呼ばれるサノフィ生成AIを活用する社員の作業時間が平均週2時間程度削減されたとも明かし、「ありとあらゆるところで全ての社員がAIを活用する社風やカルチャーが育っている」との認識を示し、今後も同社の戦略の中心としてAI活用を推進していく考えを示した。

◎2030年トップ3入りへ パイプライン強化

ドルミー・キム研究開発部門長兼医薬開発企画・調整本部長は、「特にトップのアセットに関して要件を満たしていき、2030年までに日本市場での売上高トップ3入りを目指している」と語った。グローバルでは27年までに、「15件以上の規制当局が決定しており、30件以上の申請を予定している。第3相のデータのリードアウトも15件以上を予定している」と強調。日本では26年に9件の承認と6件の申請を予定している。

とくにアトピー性皮膚炎治療薬候補・amlitelimabへの期待は大きい。キム氏は、「主要評価項目と副次的評価項目について、統計的に差がある臨床結果が出ている。日本の患者さんも18%入っていただいており、このデータは日本にとっても意義のあるものだ」と強調。現在、臨床プログラムの大部分が完了しており、26年下期にFDAに承認申請を予定。その後日本やEUでの申請をしていく計画を示した。
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