全自病調査 町村立病院薬品費6.5%減
公開日時 2003/06/22 23:00
全国自治体病院協議会(小山田惠会長)は6月20日、02年度決算見込額調査結
果をまとめた。総収入が前年度比1.7%低下するなか、総費用も0.2%圧縮、薬
品費は0.6%削減され100床当たり2億7413万2000円になった。薬品費は病床規
模や開設者別にばらつきがあり、99床以下では5.1%減、町村立でみると6.5%
減となった。ただ、最近5年ではマイナス幅は最も小さかった。また、赤字病
院が前年度の51.1%から64.9%に拡大した。
調査は同会加入1024病院を対象に実施、567病院(55.4%)の回答が寄せられ
た。1病院1日当たり患者数は外来が6.5%、入院が1.3%それぞれ減少。診療
報酬マイナス改定があったものの患者1人1日当たり診療収入は外来が1.4%
増、入院も0.7%増加したが、患者減を補えず、総収入は1.7%減少した。回答
567病院のうち、177病院(31.2%)は01年度、02年度とも黒字。黒字から赤字
に転落したのが100病院(17.6%)で、黒字転換したのが22病院(3.9%)だっ
た。半数近い268病院(47.3%)は2年続けて赤字だった。
全体的に薬品費は総費用より圧縮幅が大きいが、小規模病院ほどその傾向が顕
著。99床以下の薬剤費は、病床100床当たり2億6606万円で5.1%減(総費用1.
6%減)、100~199床は2億2611万4000円で5.0%減(1.5%減)だった。その
一方で、500床以上はこれら中小病院よりはるかに多い3億2570万9000円の薬
品費を計上し、前年比2.1%増(0.4%増)となった。「高度医療、先進医療を
担っている施設では薬品費が高くなる傾向」(同協議会事務局)だ。
ただ、過去5年間をみると、薬品費は98年度から3.1%減(総費用2.4%増)、
2.9%減(1.7%増)、5.1%減(0.8%増)、4.8%減(0.8%増)と推移してお
り、今回は総費用がそれまでの増加からマイナスに転じた中で、薬品費のマイ
ナス幅は小さくなった。