富山化学工業は９月２日、将来のブロックバスター候補と見ているニュータイ
プのキノロン系合成抗菌剤「Ｔ-3811」（一般名：ガレノキサシン）について、
米ブリストルマイヤーズ・スクイブ（BMS）と結んでいる開発・販売に関する
提携関係を見直し、日本を除く全世界での開発・販売に関してBMSに代わる新
たなパートナーを選定すると発表した。BMSは「製品戦略上の理由により、抗
菌剤のR&Dプライオリティが下がっている」（富山化学）ため、Ｔ-3811の開発、
販売から手を引く。富山化学は「新たなパートナー選定はかなり容易ではない
かと思っている」と楽観的な見通しを示している。

BMSは、Ｔ-3811の欧米での開発を担い、米国で申請に必要な臨床試験をすべて
終了していたため、富山化学では03年の申請を見込んでいた。しかし、今回BM
Sに代わる新たなパートナーを選定することになり、申請が先延ばしになるこ
とは確実。富山化学では「Ｔ-3811はピーク時に全世界で1000億円以上の売上
を見込める薬剤だと思っている。今後１年から１年半申請が遅れたとしても、
ポテンシャルは下がらないと思う」と話している。

日本では、富山化学とブリストル・マイヤーズが共同開発を進めていたが、今
後は富山化学単独で開発を行い、販売は大正富山医薬品が行う予定。