アッヴィ・ジャパン 25年売上高は1910億円 29年3000億円へ「堅牢に進捗」 営業職エリア制度に手応え
公開日時 2026/06/03 04:51

アッヴィのティアゴ・カンポス ロドリゲス社長は6月2日の会見で、2025年の日本法人売上高が13.5%増の12億7400万ドル(約1910億円)だったと報告した。同社は、29年までの5か年計画の目標として、売上高3000億円を達成し、企業別での売上高トップ10に入ることを掲げている。ロドリゲス社長は、「堅牢に進捗している。現在のパイプラインを成長させ、計画通りに上市させることでビジョンのゴールを達成していきたい」と語った。成長の実現に向けて、「働きがいのある会社」を三本柱の一つに位置付ける。この一環として、転勤を希望しないMRが居住地を選択できる制度を導入したことを紹介。「優秀なMRの採用や定着率向上に良い影響を与えている」と手応えを語った。
◎スキリージ+リンヴォックが32.4%、ベネクレクスタ+エプキンリ34.7%伸長
同社のグローバル全体の売上高は、対前年比8.5%増(営業ベース)の612億ドル。日本法人はグローバル全体を超える13.5%の成長をみせた。日本での売上高には、免疫領域のスキリージとリンヴォックの2製品を合わせて32.4%伸長したことが寄与。血液がん領域ではベネクレクスタとエプキンリを合わせて34.7%、精神・神経領域も2ケタ伸び、成長を牽引した。C型肝炎治療薬・マヴィレットについては、「私たちの目標はマヴィレッドの売上をゼロにすることだ。肝炎を日本から撲滅したい」とも述べた。
25年以降、片頭痛発作の発症抑制薬・アクイプタなど6つの申請を行い、26年にかけて5つの承認を取得。今後も28年末までの3年間で、適応追加も含め合計22の新たな承認申請を予定しているという。「日本での開発の協議に早期から参加し、原則すべての開発品について国際共同治験に参加して、欧米と同時申請できる体制で開発を進めている」(藤野忠広開発本部本部長)と世界同時申請に注力する姿勢も強調した。また、ウパダシチニブについて希少疾患・高安動脈炎治療薬候補として日本発で臨床試験を開始したことも紹介。世界に先駆け年内に国内の承認申請を目指していることを明らかにした。このほか、同社が成長ドライバーとなることを見込んでいる経口片頭痛治療薬・アトゲパントについては、2月に承認を取得した発症抑制の適応に加え、承認申請中の発作時の急性期治療や、第3相試験が進行中の月経時片頭痛など、適応拡大を進める考えも示した。
◎MRのエリア選択制度 応募した7割が希望エリアで勤務を開始
ロドリゲス社長は、職場環境を整え働きがいのある会社を実現することで社員のエンゲージメントを高め、イノベーションを加速させるとして、企業風土の醸成に注力する姿勢もみせた。転勤を希望しない営業職(MRとエリアマネジャー)に対し、勤務地を選択できるエリアパートナー制度を今年1月から導入。会社主導の転勤を見直すことで、働き方やキャリアの築き方を主体的に選択できるようにした。営業職全体の約2割が応募し、「制度の発表時には遅くとも3年以内に希望者全員の配置を実現すると伝えたが、すでに7割の社員を希望するエリアに配置している」とし、全員の希望の配置を「想定より早く達成できる」と自信をみせた。
導入による効果としては、「MR職の募集をかけた際の応募数が増加している」と強調。「3~4年はエリアパートナーとして働き、その後ナショナルパートナーに切り替えることも可能だ」と制度の柔軟性を説明し、「優秀なMRを採用するうえでも、優秀なMRの定着率向上にもいい影響を与えていると感じる。人生での優先事項と充実した仕事を両立できるという意味で、力を与えている」とその意義を語った。
さらにキャリア開発を後押しする施策として、社内のキャリアパスを公開し、どのような経験を積むべきかを透明性をもって可視化した。社員の各レベルに応じた選択肢を提供することで、自身で選択させ独自のキャリアパスを形成させる方針だ。