【MixOnline】パンくずリスト
【MixOnline】記事詳細

新薬等14製品が承認へ ノボ ノルディスクのウゴービのMASH効能追加も 薬事審・第一部会が了承

公開日時 2026/06/01 04:51
厚生労働省の薬事審議会・医薬品第一部会は5月29日、ノボ ノルディスク ファーマの持続性GLP-1受容体作動薬・ウゴービ皮下注に「肝硬変を伴わない代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)」の効能を追加することなど新薬10製品の承認の可否を審議し、承認を了承した。日本でMASHの効能・効果を持つ薬剤はなく、ウゴービが本適応を持つ初の治療薬となる。

このほか審議され承認が了承された中には、免疫性血小板減少症(ITP)に対する経口BTK阻害薬・ウェイリズ錠(一般名:リルザブルチニブ)や、バイオジェン・ジャパンの再発寛解型多発性硬化症(RRMS)に対する新規経口フマル酸塩製剤・ブメリティカプセル(ジロキシメルフマラート)などが含まれる。

報告品目は4製品。この中には全薬工業のリツキサン点滴静注について、頻回再発型あるいはステロイド依存性のネフローゼ症候群の成人期発症の用量追加がある。現在は小児用量のみとなっている。

【審議品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)

ウゴービ皮下注0.25mgSD、同皮下注0.5mgSD、同皮下注1.0mgSD、同皮下注1.7mgSD、同皮下注2.4mgSD、同皮下注0.25mgペン1.0MD、同皮下注0.5mgペン2.0MD、同皮下注1.0mgペン4.0MD、同皮下注1.7mgペン6.8M、同皮下注2.4mgペン9.6MD(セマグルチド(遺伝子組換え)、ノボ ノルディスク ファーマ):「肝硬変を伴わない代謝機能障害関連脂肪肝炎。ただし、中等度又は高度の線維化を有する場合に限る」を効能・効果とする新効能医薬品。再審査期間は4年。

持続性GLP-1受容体作動薬。代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)の適応を持つ国内初の医薬品となる。ウゴービにとっては肥満症に続く2つ目の適応となる。肥満症と今回のMASHの用法・用量は同じ。

厚労省の担当者によると、「MASHの最適使用推進ガイドライン上、原則、体格指数(BMI)23kg/m2以上の患者を対象とすることと記載する予定だ」としている。

MASHは、肝臓に影響を及ぼす慢性的な進行性の代謝性疾患。過体重または肥満の人々のうち3人に1人が罹患しているとされる。MASHを有する人は一般人口と比べて肝がんを含む進行性肝疾患へのリスクが高まるという。

海外では、米国で25年8月に第3相ESSENCE試験のパート1に基づき、MASHの効能追加が迅速承認されている。

ブメリティカプセル231mg(ジロキシメルフマラート、バイオジェン・ジャパン):「再発寛解型多発性硬化症の再発予防及び身体的障害の進行抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。

新規経口フマル酸塩製剤。バイオジェンは経口フマル酸塩製剤としてテクフィデラ(フマル酸ジメチル)を販売しており、それに続く。

多発性硬化症(MS)は臨床経過に基づき、急性増悪(再発)と寛解を繰り返す再発寛解型(RRMS)、RRMSの経過をたどった後に再発の有無にかかわらず身体的障害が進行する二次性進行型(SPMS)、発症時から再発を伴わずに身体的障害が進行する一次性進行型(PPMS)の3病型に分類される。MS患者の約85%はRRMSから発症する。

ブメリティの用法・用量は「通常、成人には1回231mg1日2回から投与を開始し、1週間後に1回462mg1日2回に増量する」。

海外では、MSに係る効能・効果に対して、19年10月に米国で、21年11月に欧州で承認され、26年3月現在、欧米を含む40以上の国又は地域で承認されている。

アバスチン点滴静注用100mg/4mL、同点滴静注用400mg/16mL(ベバシズマブ(遺伝子組換え)、中外製薬):「神経線維腫症2型」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間は4年。

抗VEGF抗体。神経線維腫症2型(NF2)は、左右両側に聴神経腫瘍(前庭神経鞘腫)ができる常染色体優性の遺伝性疾患で、多くは10~20代で発症する。難聴・めまい・ふらつき・耳鳴などの症状が多く見られる。国内において2009〜13年の臨床調査個人票の提出者は約800人だった。アバスチンはNF2の適応を持つ世界初の医薬品となる。

NF2に対する用法・用量は「通常、成人には1回5mg/kg(体重)を2週間間隔で点滴静脈内注射する」。

▽①グロベニン-I10%静注5g/50mL、同10%静注10g/100mL、同10%静注20g/200mL、②献血グロベニン-I10%静注2.5g/25mL、同10%静注5g/50mL、同10%静注10g/100mL(①pH4処理酸性人免疫グロブリン、②ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン、武田薬品):「自己免疫性脳炎」を効能・効果とする新効能医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。

静注用人免疫グロブリン製剤。自己免疫性脳炎(AE)は、自己免疫機序によって生じる急性又は亜急性の脳の炎症性疾患で、興奮、健忘、妄想等の様々な精神症状が発現し、その後、痙攣、意識障害等の重篤な神経症状を呈する。国内患者数は2万2000人程度と推定されている。これまで国内にAEの適応を持つ医薬品はなかった。

AEに対する用法・用量は「通常、1日に400mg(4mL)/kg体重を5日間連日点滴静注する」。

海外で「グロベニン-I10%静注5g/50mL他」は、2005年4月に米国で承認されて以降、26年3月現在、60以上の国又は地域で承認されているが、AEの効能・効果で承認されている国又は地域はない。また、「献血グロベニン-I10%静注2.5g/25mL他」は、26年3月現在、承認されている国又は地域はない。

ロープレッサ点眼液0.02%(ネタルスジルメシル酸塩、参天製薬):「次の疾患で、他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合:緑内障、高眼圧症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。

Rhoキナーゼ(ROCK)阻害薬。効能・効果は既存のROCK阻害薬・グラナテックと同様となっており、緑内障、高眼圧症に対する第2選択薬の位置付け。用法・用量は、グラナテックの「1回1滴、1日2回点眼する」に対し、「1回1滴、1日1回点眼する」。

緑内障、高眼圧症の第1選択薬としては、FP受容体作動薬、EP2受容体作動薬、β受容体遮断薬などが使用されている。参天製薬は25年8月にFP受容体/EP3受容体作動薬・セタネオの承認を取得し、発売している。

海外でロープレッサは、米国で17年12月に、欧州で19年11月に、緑内障及び高眼圧症に係る効能・効果で承認され、26年2月現在、42の国又は地域で承認されている。

マルシロン配合錠(デソゲストレル/エチニルエストラジオール、オルガノン):「月経困難症」を効能・効果とする新医療用配合剤。再審査期間は4年。

合成黄体ホルモンのデソゲストレル150μgと、合成卵胞ホルモンのエチニルエストラジオール20μgの配合剤。有効成分は経口避妊薬・マーベロンと同じだが、マルシロンの方がエチニルエストラジオールの配合量が少ない。

マルシロンの用法・用量は「1日1錠を24~80日間連続経口投与し、その後4日間休薬する。以後連続投与と休薬を繰り返す」。

海外では、26年4月現在、欧州の50を超える国又は地域で避妊に係る効能・効果で承認されているが、月経困難症に係る効能・効果で承認された国又は地域はない。日本では、市場ニーズや月経困難症のアンメットニーズを踏まえ、月経困難症治療薬として開発した。

ウェイリズ錠400mg(リルザブルチニブ、サノフィ):「持続性及び慢性免疫性血小板減少症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。

経口BTK阻害薬。多面的な免疫調節を介して免疫性血小板減少症(ITP)の病態に働きかけることを目指して開発された。ITP治療で初のBTK阻害薬となる。

既存のBTK阻害薬は主に血液がんに使用されているのに対し、5月25日の医薬品第二部会を通過した慢性特発性蕁麻疹(CSU)治療薬・ラプシド錠など、BTK阻害薬の開発が免疫疾患領域に広がってきた。

ITPは、後天性に血小板に対する自己抗体ができることで免疫的な機序によって血小板数が減少し、出血が起こりやすくなる疾患であり、国内で年間10万人あたり2.16人が新規に発症すると推計されているという。

現在、国内ではITPに対して副腎皮質ステロイドが第一選択とされ、二次治療以降にトロンボポエチン(TPO)受容体作動薬(エルトロンボパグ、ロミプレート、ドプテレット)やリツキシマブ、脾臓チロシンキナーゼ阻害薬・タバリス、抗FcRn抗体・ウィフガートなどが使用されている。

ウェイリズの用法・用量は「通常、成人には1回400mgを1日2回、経口投与する」。

海外でウェイリズは、既存治療で効果不十分なITPに係る効能・効果で26年2月現在、欧米及びアラブ首長国連邦で承認されている。

▽①ジャクスタピッドカプセル小児用2mg、②同カプセル5mg、同カプセル10mg、同カプセル20mg(ロミタピドメシル酸塩、レコルダティ・レア・ディジーズ・ジャパン):「ホモ接合体家族性高コレステロール血症」を効能・効果とし、小児用量を追加する新用量医薬品・剤形追加に係る医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は6年1日。

ミクロソームトリグリセリド転送タンパク(MTP)阻害剤。現在、成人に対する用量が設定されており、今回、2歳以上18歳未満に対する用量を追加するもの。小児用2mgは新剤形となる。

海外では、26年2月現在、ホモ接合体家族性高コレステロール血症の効能・効果で欧米を含む40の国又は地域で承認されている。また、小児の用法・用量については、米国で26年2月に承認されている。

ソグルーヤ皮下注5mg、同皮下注10mg、同皮下注15mg(ソマプシタン(遺伝子組換え)、ノボ ノルディスク ファーマ):「骨端線閉鎖を伴わないSGA性低身長症、骨端線閉鎖を伴わないヌーナン症候群における低身長」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間は4年。

週1回投与の長時間作用型ヒト成長ホルモンアナログ製剤。ノボによると、今回の対象疾患の2つの低身長患児に対する治療の多くは、毎日の皮下注射を必要とするヒト成長ホルモン(hGH)製剤となっている。ソグルーヤは週1回投与のhGH製剤のため、1日1回投与製剤よりも注射回数を大幅に減らすことができる。

用法・用量は「通常、0.24mg/kgを、週1回、皮下注射する」。

海外では、米国及び欧州を含む50以上の国において、成人成長ホルモン分泌不全症及び骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症の適応に対して承認を取得しており、SGA性低身長症及びヌーナン症候群における低身長の適応に対して、26年2月に米国で承認されている。

▽①サデルガカプセル25mg、②同カプセル100mg(エリグルスタット酒石酸塩、サノフィ):「ゴーシェ病の諸症状(貧血、血小板減少症、肝脾腫及び骨症状)の改善」を効能・効果とし、小児用量を追加する新用量医薬品、剤形追加に係る医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は6年1日。

グルコシルセラミド合成酵素阻害薬。現在、成人に対する用量が設定されており、今回は6歳以上の小児用量を追加するもの。25mgは新剤形となる。

海外では、2026年2月現在、「ゴーシェ病1型」等の効能・効果で欧米を含む50を超える国又は地域で承認され、小児のゴーシェ病に係る適応は欧州及び英国で承認されている。

【報告品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。

リツキサン点滴静注100mg、同点滴静注500mg(リツキシマブ(遺伝子組換え)、全薬工業):「頻回再発型あるいはステロイド依存性のネフローゼ症候群、難治性のネフローゼ症候群(頻回再発型、ステロイド依存性あるいはステロイド抵抗性を示す場合)」を効能・効果とする新用量医薬品。希少疾病用医薬品。

抗CD20抗体。頻回再発型あるいはステロイド依存性のネフローゼ症候群に対し、現在は小児期発症の場合の用量が設定されている。今回は成人期発症の場合の用量を追加するもの。

海外では、26年2月現在、様々な効能・効果で米国及び欧州を含む約135の国又は地域で承認されているが、ネフローゼ症候群に係る効能・効果で承認されている国又は地域はない。

シムレクト静注用20mg、同小児用静注用10mg(バシリキシマブ(遺伝子組換え)、ノバルティスファーマ):「下記の臓器移植後の急性拒絶反応の抑制。腎移植、肝移植、心移植、肺移植、膵移植、小腸移植」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。

抗CD25抗体。現在、「腎移植後の急性拒絶反応の抑制」の効能・効果で承認されている。今回、臓器移植の対象を増やす。

海外では、25年6月時点で、欧米を始め世界110以上の国と地域で承認されているが、腎移植以外の臓器移植後の急性拒絶反応の抑制に係る効能・効果で承認されている国又は地域はない。

ゼオマイン注用50単位、同注用100単位、同注用200単位(インコボツリヌストキシンA、帝人ファーマ):「痙性斜頸、眼瞼痙攣」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間は残余期間(令和10年6月28日まで)。

A型ボツリヌス毒素製剤。現在は上肢痙縮、下肢痙縮、慢性流涎の効能・効果で承認されており、今回、痙性斜頸、眼瞼痙攣を追加する。

グラクソ・スミスクラインのA型ボツリヌス毒素製剤・ボトックスは痙性斜頸、眼瞼痙攣の適応を持っている。

海外でゼオマインは、26年2月時点で、上肢痙縮等に係る効能・効果で欧州及び米国を含む79の国又は地域で承認され、痙性斜頸及び眼瞼痙攣に係る効能・効果について、いずれも欧州及び米国を含む76の国又は地域で承認されている。

ボトックス注用50単位、同注用100単位(A型ボツリヌス毒素、グラクソ・スミスクライン):「下肢痙縮」を効能・効果とする新用量医薬品。

A型ボツリヌス毒素製剤。現在も下肢痙縮で承認されており、成人に対して「300単位」の用量が設定されているが、海外の標準的使用方法等を踏まえて「400単位」に変更するもの。

海外では、下肢痙縮に対して、1回あたり最大投与量400単位の用量で、26年3月現在、米国及び欧州を含む79の国又は地域で承認されている。
プリントCSS用

 

【MixOnline】コンテンツ注意書き
【MixOnline】関連ファイル
【MixOnline】記事評価

この記事はいかがでしたか?

読者レビュー(3)

1 2 3 4 5
悪い 良い
プリント用ロゴ
【MixOnline】誘導記事

一緒に読みたい関連トピックス

アトピー性皮膚炎治療薬イブグリース 処方増意向は9割弱
アトピー性皮膚炎薬イブグリース

処方増意向9割弱 4週間隔投与可を評価

2026/05/01
アトピー性皮膚炎は、体のあらゆる部位の強い痒み、皮膚の乾燥、炎症を特徴とする慢性・再発性の皮膚疾患。症状の表れ方も多彩であり、予測不可能な増悪を伴うという特徴を有する。
【26年4月15日更新 月次版】

【26年4月15日更新 月次版】

2026/04/15
26年4月8日までの公表資料などをもとに最新情報に更新しました。
【MixOnline】関連(推奨)記事
【MixOnline】関連(推奨)記事
ボタン追加
【MixOnline】記事ログ
バナー

広告

バナー(バーター枠)

広告

【MixOnline】アクセスランキングバナー
【MixOnline】ダウンロードランキングバナー
記事評価ランキングバナー