中医協は９月24日、薬価専門部会を開き、新規収載品の薬価算定ルール見直し
について本格議論に入った。新規性の乏しい新薬の算定方法に関し、現行の類
似薬効比較方式（２）では既収載の最類似薬より薬価が高くなる「逆転現象」
が生じていることについて、専門委員の八代光夫日薬連保険薬価研委員長（武
田薬品工業顧問）は、「１～２例のために全体を変えるのは問題。（逆転が起
きないよう）一文を加えるだけでいい」と、抜本的なルール見直しには慎重な
考えを示した。

この日の部会は、薬価算定組織（矢崎義雄委員長）が６月に示した「意見」を
もとに、矢崎氏を招き議論。逆転現象について矢崎氏は、「優位性がないのに
高いのは合理性に欠ける」と改めて指摘した。逆転現象については星野進保委
員（中医協会長）も、「新しい製品は何らかの付加価値がついているか安いか
で市場参入できるというのが経済学の考え方」と述べ是正を主張した。

一方、診療側委員の青柳俊日本医師会副会長は、算定ルール見直し全般につい
て、「安定供給、開発へのインセンティブ、患者負担も考慮しなければならな
い」とするとともに、「副作用の発現率が高いものをどうするかの議論も必要」
と述べた。部会は次回から、既収載品の薬価算定に関する議論を行う。