アベンティス ファーマ 奏効、延命「ドセタキセル」が優位
公開日時 2003/09/24 23:00
アベンティス ファーマは9月24日、同社の抗がん剤「ドセタキセル」(販売
名:タキソテール)が、「パクリタキセル」(タキソール)との転移性乳がん
女性患者へのフェーズ3無作為比較試験で、奏効率、延命率のいずれも有意に
優れていたとの結果を発表した。21~25日にデンマーク・コペンハーゲンで開
催中の欧州がん学会(ECCO)で、米テキサス大学医学部のピーター・マーカス・
ラブディン助教授が報告した。
試験は女性患者449人をドセタキセル100mg/m2(1時間点滴静注)群225人と、
パクリタキセル175mg/m2(3時間点滴静注)群224人に無作為に分け3週間隔
で投与。全奏効率はドセタキセル32.0%、パクリタキセル25.0%。病態増悪ま
での期間(中央値)は、ドセタキセル5.7月、パクリタキセル3.6月だった。全
生存期間(同)はそれぞれ15.4月と12.7月だった。
ただ、副作用の発現はドセタキセル群で高く、発熱と白血球減少が15%(パク
リタキセルは2%)、感染による死亡が1.4%(同ゼロ)あった。ラブディン
助教授は、「ドセタキセルはすでに転移性乳がん患者の治療に最も広く用いら
れている化学療法剤だが、今回の試験結果は、今後の研究や治療方針に影響を
及ぼす」と話している。