中医協は10月１日の総会で、診療側委員８人が連名で、「04年４月診療報酬改
定要望（第１次）」を星野信保会長に提出した。前回の02年４月改定について、
02年度医療費実績が予算編成時の見込みを大幅に下回っているなどと指摘。委
員を代表して青柳俊日本医師会副会長は、「平成元年からの経過を見ると、薬
価差を技術評価に振り分けるのが（改定の考え方の）メインだったはずなのに
ひずみが出てきて、まるで真綿で首を絞められているようだ」と述べた。

要望によると、01年度実績から02年度予算編成時には医療費を30兆6927億円
（うち医科24兆7434億円）と見込んだが、実際には30兆1785億円（23兆9808億
円）で1.7％（3.1％）の乖離（かいり）があった。また、要望では、医療安全
確保のためには医療費換算で総額１兆272億円のコストがかかるとの試算も添
えた。

診療側委員からの同様の要望は、毎回診療報酬改定が予定される前年11月ごろ
提出されるが、青柳氏は、「改定作業が遅れ十分な検証ができないまま４月実
施に突入する苦い経験をしてきた。次回総会では、引き続き第２次の要望を出
す」とコメント。一方、支払い側の対馬忠明委員（健康保険組合連合会常務理
事）は、「これまで予算編成時より実績の方が高いことが多かったが、それな
ら（医療費を）返すというのか。安全のためのコストは他の費用を削ってでも
（医療機関が）捻出するべき経費」と応じた。