厚生労働省は10月30日、医薬品・医療用具等安全性情報194号を発表。経口腸
管洗浄剤「塩化ナトリウム・塩化カリウム・炭酸水素ナトリウム・無水硫酸ナ
トリウム配合剤」（成分名）で腸管穿孔、腸閉塞の、死亡を含む副作用が報告
されたと掲載した。排便、腹痛などの状況を確認しながら慎重に投与するなど
の安全対策について注意喚起した。

同剤は「ニフレック」（味の素ファルマ）、「オーペグ」（太田製薬）、「ス
クリット」（大洋薬品工業）、「ニフプラス」（大原薬品工業）、「ムーベン」
（日本製薬）の５製品が販売されている。00年３月、使用上の注意の「重大な
副作用」の項目に「腸管穿孔」に関する記載を追加したが、使用上の注意改訂
後も、腸管穿孔で死亡４例を含む５例、腸閉塞で死亡１例を含む７例の副作用
報告があった。

５社は９月10日、厚労省の指示で緊急安全性情報（ドクターレター）を出した
ほか、警告欄も含め使用上の注意を改訂。服用手順やチェック項目を記載した
患者向け説明文書を作成し医療機関に配布した。ニフレックは年間（02年度）
約165万人に投与、販売実績約26億円で、同剤シェアの９割以上という。