財務省・向井主計官 診療報酬「プラス改定およそありえない」
公開日時 2003/11/19 23:00
財務省の向井治紀主計官は19日のセミナーで、来年4月の診療報酬改定につい
て「マイナス改定にならざるを得ない。プラスはおよそあり得ない」との見解
を明らかにした。賃金や物価動向などの経済指標を示したうえで、公的保険の
支出という観点から「他産業との整合性が必要」と指摘。引き上げの環境にな
いことを改めて強調した。
向井氏は人事院勧告や消費者物価指数の4年連続マイナスや、政管、組合など
医療保険財政の赤字を説明。「全体とのバランスを考えるべき」として、むし
ろ医療機関に経営改善努力を促した。これに対し日本医師会の坪井栄孝会長は、
国が保有する約50兆円の米国債など別財源の検討を要請。社会保障は「国民の
生計と生命の国家安全保障」だとして、国家戦略の中心に据えるべきだと訴え
た。