26年度薬価改定影響度 大鵬薬品は「20%台前半」主力品のPMP累積額控除響く 不採算でプラス企業も
公開日時 2026/03/06 07:30
ミクス編集部が2026年度薬価改定の影響度について調査したところ、回答企業60社で最も打撃が大きかったのは大鵬薬品の「20%台前半」だった。新薬メーカーでは、主力品が革新的新薬薬価維持制度(PMP)の累積額控除を受けたことが響いた企業が多く見られた。26年度薬価改定ではG1の前倒しが適用されるなど、特許後の薬価引下げ圧力は強まっている。PMPが主力品の企業では改定影響が小さく、特許後は後発品に道を譲る、長期収載品依存からの脱却を強烈に促した。一方で、Meiji Seika ファルマが「プラス3.2%」と回答するなど、今改定でもプラス改定企業が出現した。プラス改定企業では、不採算品再算定の影響が色濃く、医療上の必要性の高い品目の安定供給についてもメッセージも発していると言えそうだ。
文末のダウンロードファイルから、「2026年度薬価改定製薬会社の影響率」、「2024年度薬価改定各社主力品(汎用規格)の改定率」がダウンロードできます(会員限定)
◎大鵬薬品の「20%台前半」 帝人ファーマ「約10%」 主力品の累積額控除響く
回答企業で最も大きい打撃となったのが大鵬薬品の「20%台前半」。PMPの累積額控除を受けたアブラキサン点滴静注用100mgが35.9%と大幅な引下げを受けた。G1で2回目の引下げを受けるティーエスワン配合OD錠T20は選定療養の対象であることも相まって、25.8%の引下げを受けた。
帝人ファーマは「約10%」の影響を受けた。PMPの累積額控除を受けたネシーナ錠25mgが36.8%の引下げを受けた。ソマチュリン皮下注120mgはPMP品目だが、乖離率超で薬価非維持品目となり、3.2%引き下げられる。これまで同社の屋台骨を支えてきたフェブリク錠10mgはG1の前倒し適用を受け、12.7%の引下げを受けたことも響いた。
◎第一三共は「9%台」 リクシアナ19.7%、PMP累積額控除は2剤に
第一三共は「9%台」。年間販売額1500億円超に該当し、持続可能性特例価格調整によりリクシアナOD錠30mgが19.7%の引下げを受けた。PMPの累積額控除を2剤が受け、エフィエント錠2.5mgが4.7%、ビムパット錠100mgが14.8%と大型品の特許切れが重なったことも響いた。PMPに15成分46品目が該当し、ロキソニンテープ100mgが最低薬価の適用によりプラス3.4%引き上げられるなどしたが、吸収することはできなかった。
◎大塚製薬・協和キリンは「7%台前半」 市場拡大再算定の影響も
「7%台前半」と回答した大塚製薬は、サムスカOD錠30mgがPMPの累積額控除を受け19.9%、レキサルティOD錠2mgが市場拡大再算定を受け、15.0%引き下げられるなど、大型品の引下げが響いた。
同様に「7%台前半」と回答した協和キリンは、ロミプレート皮下注250μg調製用がPMPの累積額控除と市場拡大再算定を同時に受け、40.6%の引下げを受けたことが響いた。
◎武田薬品「2%台後半」 血液製剤30%引き上げもPMP累積額控除響く
武田薬品は「2%台後半」と回答。不採算品再算定が適用された献血グロベニン-I静注用5000mgがプラス30%の引上げ。5成分12品目の該当する不採算品再算定のカテゴリー全体でもプラス28.5%の大幅引き上げを受けた。一方で、ベクティビックス点滴静注100mgがPMPの累積額控除を受け、33.1%の引下げを受けた影響が出た。
アステラス製薬は「約3%」。ビロイ点滴静注用300mgが国内の標準的治療法となったことで改定時加算を受けてプラス2.5%の引上げを受けたが、プログラフカプセル1mgがG1の2回目の適用により18.1%、PMP該当品目であるスーグラ錠50mgが乖離率超により3.1%引下げを受けたことが響いた。
◎日本セルヴィエ、日本新薬、富士製薬は0%台 塩野義製薬「ほぼ影響なし」
PMP該当品目が主力品の企業では改定影響が小さい傾向も見える。日本セルヴィエは「ゼロ%」と回答。オニバイド点滴静注43mg、オンキャスパー点滴静注用3750、ティブソボ錠250㎎がPMPの薬価維持品目となり、薬価が維持された。
日本新薬の改定影響は「ゼロ%台」。主力品のウプトラビ錠0.4mgが小児適応の効能追加による改定時加算を受け、「プラス8.7%」の引上げ。ビキセオス配合静注用、ガザイバ点滴静注1000mg、ビルテプソ点滴静注250mgがPMPで改定影響を受けず、薬価が維持された。
富士製薬は「0.75%」。イオパミドール370注100mL「F」がプラス19.3%の引上げを受けるなど、3成分7品目ある不採算品再算定のカテゴリー別改定率はプラス20.8%。最低薬価が適用されたフォリアミン錠もプラス6.9%引き上げられた。このほか、塩野義製薬も「ほぼ影響なし」と回答した。
◎“プラス改定” Meiji Seika ファルマ、扶桑薬品、ツムラ、日医工、ニプロ
一方、感染症や輸液、漢方など医療上の必要性の高い医薬品を有する企業ではプラス改定となった。回答企業のうち、“プラス改定”と回答したのは、Meiji Seika ファルマ、扶桑薬品、ツムラ、日医工、ニプロの5社。薬価改定後に“プラス改定企業”が出現するのは23年度改定以降、4年連続となった。顔ぶれも大きく変わらず、ポートフォリオの影響の大きさが見える。
◎Meiji Seika 「プラス3.2%」 扶桑薬品「プラス約1%」 不採算品再算定影響強く
最もプラス影響の大きいMeiji Seika ファルマは、「プラス3.2%」。24年度改定(プラス1%半ば)以来のプラス改定となった。主力品のスルバシリン静注用1.5gが改定影響を受けずに薬価を維持し、不採算品再算定の適用を受けたタゾピペ配合静注用4.5「明治」が「プラス30%」、メロペネム点滴静注用0.5g「明治」が「プラス30%」と大幅な引き上げを受けた。
扶桑薬品は「プラス約1%」と回答。不採算品再算定の適用を受けたヴィーンD輸液 500mLが「プラス25.2%」となるなど、17成分37品目に適用。最低薬価が28成分48品目に適用された。
◎ツムラ 4年連続プラス改定に 40成分47品目が不採算品再算定適用
ツムラの改定影響は「プラス0.1%」。23年度以降、4年連続のプラス改定となった。回答企業最多となる40成分47品目が不採算品再算定の適用を受けた。不採算品再算定品目のカテゴリー別改定率は「プラス24.8%」(刻み生薬46品目含む)と圧倒的な引上げを受けた。また、競合品の少ないブルーオーシャン市場の中で、「ツムラ大建中湯1g」、「ツムラ抑肝散1g」、「ツムラ加味逍遙散1g」などが薬価を維持。主力品の改定率がいずれも1%未満と改定影響を受けないポートフォリオが影響した。
◎日医工「プラス約2%」 ニプロ「プラス1%」
ジェネリックメーカーでは日医工が「プラス約2%」と回答。本誌集計によると、12成分19品目に不採算品再算定が適用された。
ニプロは「プラス1.0%」と回答。カテゴリー別でみると不採算品再算定(22成分44品目)がプラス16.2%、最低薬価(74成分118品目)がプラス11.1%となるなど、いずれも2桁の引上げとなったことが影響した。主力品で不採算品再算定の適用を受けたタゾピペ配合静注用4.5「ニプロ」がプラス30%、ヘパリンNa透析用250単位/mLシリンジ20mL「ニプロ」がプラス11.8%、セフメタゾールNa静注用1g「NP」がプラス8.0%引き上げられた。
ジェネリックメーカーは沢井製薬が「約3%」、東和薬品が「1.3%」、日新製薬が「3.6%」と回答するなど、改定の影響度が圧縮されている傾向も見て取れた。(望月英梨、神尾裕、梅澤平、早瀬悠里、沼田佳之)