中医協・総会は12月18日夜、次期診療報酬改定について、医療費本体の改定率
をゼロとすることで合意した。薬価・医療材料費で約1.05％（医療費ベース）
の引き下げが決まっており、この数字がそのまま実質改定率になる。厳しい経
済社会情勢から首相官邸や財務省、支払い側委員などは引き下げを求めていた
が、２回連続のマイナス改定を阻止したい診療側が面目を保った。

本体部分の改定率は、医科、歯科、調剤ともいずれもゼロ。公益委員がまとめ
た「中医協の審議報告」で、「医療の安全・質の確保、具体的には、DPC、小
児医療・精神医療等を重点的に評価」することを挙げており、「ゼロ」改定の
中で、点数表の中身を組み替える。

ゼロ決着について支払い側の対馬忠明委員（健康保険組合連合会常務理事）は、
「期待感や主張からは乖離（かいり）があるが、公益委員や診療側委員の真摯
な努力、決断に敬意を表する」とコメント。また、診療側の青柳俊委員（日本
医師会副会長）は、閉会後に会場外で記者団に囲まれ、「マイナス改定という
流れを考えると、我々として頭を下げるのもやぶさかでない」と一定の評価を
示した。

17日午前に開会した総会は、公益委員と、支払い側、診療側双方の委員との個
別折衝のため休会を繰り返し、30時間以上にわたって開会。18日午後には、本
体部分約1.7％の引き下げを求めた支払い側がマイナス0.5％まで、約4.2％に
当たる１兆2500億円の引き上げを求めた診療側がプラス0.5％まで譲歩し、最
後の調整が続いていた。【「中医協の審議報告」は下段に掲載】