中医協は１月16日、診療報酬基本問題小委員会を開き、次期診療報酬改定に向
け、具体的な改定項目に関する審議に入った。事務局の厚生労働省がこれまで
の議論をもとにまとめた、施設基準や指導管理料、入院料などの「論点」を提
出した。このうち、02年改定で点数減額を導入した手術の施設基準について、
基準を満たさない施設の減算評価を抜本的に見直すべきとする診療側と、減算
評価やむなしとする支払い側の意見が対立した。

02年改定では、年間手術件数や手術に関する医師の経験年数という施設基準を
設け、その基準に満たない病院が行った手術は点数の30％を削減する仕組みが
導入された。この日、事務局が提出した資料によると、「冠動脈、大動脈バイ
パス移植」は全施設の81％が基準をクリアしないなど、手術によっては基準に
満たない病院が多く、こうした病院ほど手術実績も少ない。また、二次医療圏
単位で見ると、「同種腎移植術等」は基準クリア施設が１ヵ所もない地域が９
割を超すことも分かった。

これらの結果について、診療側委員の青柳俊日本医師会副会長は「とくに緊急
を要する手術など、アクセスの観点から大問題」と指摘。一方、支払い側委員
の対馬忠明健康保険組合連合会常務理事は、「一生に一度受けるかどうかの手
術で、生活圏である二次医療圏にこだわるのはどうか」と反論した。双方の主
張の相違はまとまらず、今後も議論を続けることになった。手術の施設基準に
関する論点以外の、小児医療や精神科医療の評価などはおおむね意見の合意が
得られた。【事務局が提出した主な論点は下段に掲載】