中医協・診療報酬基本問題小委員会（星野進保委員長）は１月28日、次期診療
報酬改定について論議を続けたが、特定機能病院で採用されているDPC（診断
群分類）による包括評価方式について、民間病院も含めた対象範囲拡大を求め
る支払い側委員と、「時期尚早」として阻止の構えの診療側委員の意見が真っ
向から対立した。診療側の青柳俊委員（日本医師会副会長）は、先行的にDRG
による包括評価を試行している国立など10病院への対象拡大について認めたも
のの、溝は埋まらず、あす30日の小委で再度調整を図る。

包括評価で在院日数が短縮したとするこれまでの調査結果について青柳委員は、
「短縮は経済的なインセンティブによるもの。患者の評価やエビデンスなど全
体的な検証が不完全」と疑義。支払い側の対馬忠明委員（健康保険組合連合会
常務理事）が、「（ゼロ改定が決着した）昨年12月18日の文書で（拡大は）合
意できたはずなのに、それを否定するのは『食い逃げ』になりかねない」と応
じた。

12月18日の「中医協の審議報告」は、DPCについて、「重点的に評価し、国民
が納得できる改定とする」としている。