中医協・診療報酬調査専門組織の吉田英機医療技術評価分科会長が基本問題小
委で報告した「既存技術の評価」22項目は次の通り。入院医療の安全対策では、
注射薬の無菌製剤加算適応拡大を求めた。


〇在宅血液透析医学管理料＝導入期の診療で算定可能回数を緩和
〇在宅酸素療法指導管理料＝対象疾患に「中等度以上の慢性心不全」を追加
〇腫瘍マーカー（PSA）＝確定診断のつかない症例（グレーゾーン）の患者に
対する定期的な測定実施を可能に
〇自覚的聴力検査「簡易聴力検査」（内耳）＝現行要件該当の検査を実施した
場合と、日本工業規格の診断用オージオメータを使用して標準純音聴力検査時
と同じ周波数すべてについて行う気導聴力検査を実施した場合を分離して評価
〇経皮的動脈血酸素飽和度測定＝静脈麻酔にも認める
〇赤血球不規則抗体検査＝帝王切開手術以外でも出血が多く予想される手術で
算定できるよう評価
〇終夜睡眠ポリグラフィー＝睡眠時呼吸障害の診断のための検査の評価見直し
〇点滴注射の無菌製剤加算＝対象を現状の「悪性腫瘍」から白血病、再生不良
性貧血、骨髄異形性症候群、重症複合型免疫不全症などの易感染性患者に拡大
〇外来化学療法加算＝施設基準を緩和
〇心疾患リハビリテーション料＝施設基準を緩和
〇早期リハビリテーション加算＝対象疾患を拡大
〇リハビリテーション算定回数、逓減制＝見直し
〇言語聴覚療法＝早期リハビリテーション加算の算定要件に追加。言語聴覚療
法士による言語聴覚療法IIIを新設。
〇老人性痴呆疾患治療病棟入院料＝患者１人あたり面積が現行より狭い同入院
料２を新設
〇介護牽引＝消炎鎮痛等処置と整理されているものを独立して評価
〇耳垢塞栓除去（複雑なもの）＝幼小児について成人の場合と別に評価
〇乳腺悪性腫瘍手術「乳房部分切除術」＝腋窩リンパ節郭清を行わない手術の
評価を明確化
〇鏡視下手術＝内視鏡や腹腔鏡による実施が一般的になっている術式の評価を
明確化
〇腹腔鏡下結腸切除術＝低浸襲的に結腸切除を行う技術評価
〇腹腔鏡下幽門形成術＝先天性肥厚性幽門狭窄症に対する腹腔鏡下の幽門筋切
開技術を評価
〇内視鏡下鎖肛根治術（腹会陰式）＝未熟な肛門括約筋の中央を同定して鎖肛
根治術を行う技術を評価
〇骨髄移植・臍帯血移植＝ドナー検索やコーディネートに要する費用の患者負
担を軽減