旭化成は３月４日、中期経営計画「ISHIN-05」の進捗状況について記者会見し、
医薬関連事業を運営する旭化成ファーマの営業利益が、05年度で150億円とな
る見通しを明らかにした。当初計画から40億円の下方修正となる。主力品の低
迷やアライアンスなどの戦略費用がかさむため。今後は研究開発のスピードア
ップと領域の集中化を進める。

同社は03年10月から分社・持株会社制に移行したが、中期計画は同年４月にス
タートしている。ほぼ１年を経過した時点で計数を見直した結果、全社計画の
「売上高１兆3000億円、営業利益1100億円」は変更しなかったものの、ファー
マについては営業利益予想を引き下げた。排尿障害改善剤フリバスや抗うつ剤
トレドミンは好調だが、市販後調査の一環として実施した臨床試験で、骨折抑
制効果が立証されなかった「エルシトニン注20S」や他の製品の低迷を見込ん
だ。

2010年を見据えた成長戦略についても説明、医療やエレクトロニクスなどの分
野を中心に全社で1000億円規模の戦略投資を行う意向で、「M&Aを含めて積極
的に考えたい」（蛭田史郎社長）とした。