富山化学 ブロックバスター候補T-3811をシェリング・プラウに導出
公開日時 2004/03/31 23:00
富山化学工業は3月31日、将来のブロックバスター候補と見ているニュータイ
プのキノロン系合成抗菌剤「T-3811」(一般名:ガレノキサシン)について
日本、韓国、中国を除く全世界での開発、使用、販売の独占的権利を米シェリ
ング・プラウに供与することで合意したと発表した。今後2~3ヵ月かけて細
部の調整を行い、正式契約につなげる。富山化学は正式契約後一時金として80
00万ドルを受領する。また、開発、販売の各段階でその達成度合いに応じて総
額2億4500万ドルの追加一時金を受領する。
富山化学は昨年9月に、T-3811の導出先だった米ブリストル・マイヤーズス
クイブ(BMS)から「商業上の理由」により提携解消を持ちかけられた。それ
以降、「20数社から引き合いがあった中で、一番熱心だった」というシェリン
グ・プラウを導出先に選んだ。富山化学によると、シェリング・プラウは、BM
Sとガチフロキサシンのコ・プロモーションを行った経験があり(現在解消)、
GP市場で力を発揮するなど「キノロン系の知識は深い」と評価している。
T-3811を手放したBMSは、T-3811の開発を欧米で行い、米国で申請に必要な臨
床試験をすべて終了していた。引き継ぐ形のシェリング・プラウは、なるべく
早くまず米国で申請する方針で、富山化学では「呼吸器系、外科系感染症で優
れた結果が出ており、安全性も比較的高く、申請から10ヵ月くらいで承認され
るだろう」との見通しを示している。