住友製薬 ヒト成長ホルモン剤SMP-140開発中止
公開日時 2004/05/06 23:00
住友製薬は5月6日、フェーズ3の段階にあり、今年中に申請する予定を示し
ていたヒト成長ホルモン剤SMP-140(ニュートロピンAQ)の開発中止を発表し
た。「有効性、安全性に問題があったわけではない」としている。成長ホルモ
ン市場は02年度に薬価ベースで580億円の規模だが、SMP-140がバイアル型であ
るのに対し市場ではペン型注射器が主流であること、既に他社の液剤が出てい
ること、適応の範囲など総合的に判断した結果。
98年に米ジェネンテック社と導入契約を結び、フェーズ1から開発を続けてき
た。一方、日本ケミカルリサーチとヒト成長ホルモン剤グロウジェクトを共同
販売しており、グロウジェクトか、SMP-140かどちらかを選択する必要性に迫
られていた。同社の02年度のグロウジェクトの売上は55億円で、事業として成
り立っているグロウジェクトを選んだ。
同社は昨年10月から成長ホルモン剤の専任MRを設けており、「成長ホルモン事
業は極めて重要な戦略的領域であり、今後はグロウジェクトに絞り、患者や医
療機関のニーズや期待に応えていきたい」としている。