厚労省・検証会議 脳死判定の情報公開課題に
公開日時 2004/05/26 23:00
厚生労働省は5月26日、青森県八戸市内で02年8月に行われた臓器移植法に基
づく国内21例目の脳死判定、臓器提供に関し、「問題なし」とする、「脳死下
での臓器提供事例検証会議」(座長・藤原研司埼玉医科大学第3内科教授)の
報告書を公表した。脳死判定時点での地元メディアの過熱報道にドナーの家族
が動揺した経緯が記され、「地域によって報道における取り上げ方に格差があ
ることを十分に家族に伝える必要があった」と、情報公開の方法を課題に挙げ
た。
ドナーは30代の女性で、分娩後の8月18日に意識障害が出現、脳動脈瘤破裂と
診断された。同28日に臨床的脳死と診断、29日に法的脳死と判定した。心臓、
両肺、肝臓、すい臓、腎臓が5人のレシピエントに移植された。あっせん業務
を行う臓器移植ネットワークは当初、「東北地方の病院」と公表したが、同県
内初の脳死判定だったことから、地元紙が病院名を特定し号外を出すなどした。