米トランプ大統領 日本の特許医薬品に15%の関税発動 MFN締結なら29年1月まで猶予 製薬各社に促す
公開日時 2026/04/03 09:30
米トランプ大統領は4月2日(現地時間)、特許医薬品とその成分に原則100%の追加関税を課すと発表した。ただし、貿易協定締結国の欧州連合、日本、韓国、スイス、リヒテンシュタインは15%の関税となる。英国は英国医薬品協定に基づき、より低い関税が適用される。一方で保健福祉省(HHS)と最恵国待遇(MFN)価格協定を締結し、かつ商務省と研究開発拠点および生産製造拠点に関する対米投資を締結した製薬企業には2029年1月20日まで関税を猶予(関税率0%)すると明言。日本を含む製薬各社にMFN協定の交渉テーブルに着くよう促した。なお、今回発表した関税は一部大手企業は120日後、中小規模の製薬企業は180日後に発効する。
◎米国内のサプライチェーン強化が狙い 約4000億ドルの対米投資の成果強調
トランプ大統領は今回の特許医薬品の関税について、「米国内で安全かつ安心な健康な状態を維持するためには、医薬品を国内で製造する必要がある」と強調。目的が米国内のサプライチェーンの強化にあることを指摘している。米政府は、「通商拡大法232条に基づく関税措置は、すでに米国および海外の製薬会社から約4000億ドルの新規投資の約束を促しており、これらの投資はトランプ大統領の現任期中に米国で行われる予定」とし、すでに欧米系メガファーマと合意したMFN協定および対米投資の成果を強調した。
◎米商務長官が国家安全保障の影響を調査 「サプライチェーンの混乱でアクセス制限も」
今回の関税率の決定に際し、トランプ大統領は商務長官が1962年通商拡大法第232条(改正後)に基づき医薬品、医薬品原料および関連製品の輸入が国家安全保障に及ぼす影響に関する調査を実施したと披露。その結果、「特許取得済みの医薬品および関連する医薬品原料が、米国の国家安全保障を損なう恐れのある量と状況で米国に輸入されていることが判明した」と指摘している。その上で、「医薬品の自給自足的な国内製造・産業基盤は、国防上のニーズと公衆衛生を支える能力にとって不可欠」と指摘。最近の国際情勢などを踏まえて、「世界的なサプライチェーンの混乱が発生した場合、米国における救命薬など緊急性の高い医薬品へのアクセスが制限される恐れがある」との懸念を表明し、今回の措置に踏み切ったことに理解を求めた。
◎ジェネリック医薬品、バイオシミラーは現時点で関税の対象外
なお、今回の特許医薬品に対する関税は、ジェネリック医薬品、バイオシミラーおよび関連成分は、現時点では関税の対象外とし、1年後に再評価するとした。また、希少疾病用医薬品、動物用医薬品、およびその他の特定の特殊医薬品は、日本を含む貿易協定締結国からのものである場合、または緊急の公衆衛生上のニーズを満たす場合は免除するとした。