日薬連薬価研小委報告 自由価格には触れず
公開日時 2004/06/15 23:00
日本製薬団体連合会(日薬連)保険薬価研究委員会は6月15日、既収載品、新
薬、医療制度3小委の研究報告書を発表した。前日14日の厚生労働省「医薬品
産業政策の推進に係る懇談会」で日薬連を代表して永山治理事が、新薬につい
て企業が希望価格をつけられるよう求めたのと比べると保守的な内容。自由価
格制にはとくに触れていない。
既収載品小委は、04年度薬価改定の薬価調査・内示について「各社の試算値と
内示に大きな乖離があったとする意見がなかったことからみて、薬価調査デー
タに基づく内示は全体としてほぼ妥当」、調整幅について「2%の調整幅は、
現在の市場取引の実態からみて必要最小限」と評価している。
また、04年度薬価改定で最大の争点になると予想されたが、結局早々と中医協
の検討項目から除外された、特許期間終了後で後発品が参入しない先発品への
特例引き下げルール適用について「今後とも認められるものではない」として
いる。
医療制度小委は、DPC(診断群分類別包括評価)について、対象病院の医療費
が02年度に医科病院計の約8%、04年度から試行病院が51施設(5月20日現在)
加わることで、さらに比率が高まり、包括評価の中での薬剤使用について強く
意識せざるを得ない状況になったと指摘。「高額な薬剤・医療材料への対応は
進んでいるが、全ての診断群分類項目で標準的な薬剤治療の薬剤料をカバーで
きるのかは疑問」と問題提起している。