厚労省・検討会 精神病床算定方式見直しで最大10万床減
公開日時 2004/07/04 23:00
厚生労働省は7月2日の「第10回精神病床等に関する検討会」(座長・吉川武
彦中部学院大学教授)で、精神病床の基準病床数算定式見直し案を提示した。
患者が入院後1年時点でどれだけ残っているか(平均残存率)、1年以上の在
院患者のうち退院にいたるのはどの程度か(退院率)の2つの現状データを調
査。仮に、47都道府県のうち平均残存率が最も低い数値と、退院率が最も高い
数値を目標に設定すると、10年後の2015年には基準病床は、現状(35万5000床)
より9万9000床少ない25万6000床と算出される。
また、平均残存率と退院率のそれぞれ上位3県平均を目標とすると、7万5000
床少ない28万床、上位5県平均を目標とすると、6万7000床少ない28万8000床
との試算。既存の基準病床算定方式は現状追認的で、各医療機関の病床利用率
の目標設定に活用できないなどと指摘されているが、厚労省の見直し案は、精
神病床の入院患者に比較的短期で退院する群と、歴史的に長期にわたって入院
している群が並存することに着目した。
見直し案について委員から、「単純に上位の県データに引っ張っていくのはど
うか。『10年で7万床相当を減少』という厚労省の考えに沿った数字になって
いるのも疑問」などの意見が出たが、短期入院、長期入院の2通りの患者の動
きに着眼した点についてはおおむね了承が得られた。