第一・三共 経営統合を発表、07年4月医療用事業新会社へ
公開日時 2005/02/27 23:00
第一製薬と三共は2月25日記者会見を開き、今年10月をめどに経営統合するこ
とで基本合意したと発表した。共同持株会社の「第一三共」を設立、現行2社
が完全子会社となり、07年4月に医療用医薬品事業を統合して事業持株会社へ
と移行する。新会社の社長には庄田隆三共社長が就任、森田清第一製薬社長が
会長となる。両社長は会見で、現在の経営環境ではスピードが重視されるとし、
企業規模の拡大によって戦略のオプションが増加すると強調した。
森田社長は「研究開発の成果としてグローバルに通用しそうな候補品が複数出
てきた。それらを自ら販売できればいいが、現状で一気には難しいと考えて統
合を選んだ。国内でも営業力の強い企業が市場を席巻しつつある」と指摘。庄
田社長は「売上高1兆円、営業利益2000億円を中期目標とし、確実・早期に達
成したい」と語った。
両社は3月に統合準備委員会を発足させ、6月の株主総会を経て9月末で上場
を廃止する。株式移転比率は、第一の1株に対して持株会社1.159株、三共は
1株。第二段階となる07年4月には医療用医薬品事業を統合、その傘下にOTC
や機能(ビジネスサポートなど)子会社を持つことになる。ただ、個々に上場
したり売却したりという選択肢も視野に入れる。
統合のメリットについて庄田社長は、「最大は研究開発の得意領域に共通部分
が多いこと」と説明。2社合計で1500億円に達する研究開発費と切れ目ないパ
イプラインが強みになると述べた。営業面では国内MR数がアステラスを抜いて
ファイザーに次ぐ2500人に拡大、ディテール数ではトップに躍り出る。