扶桑薬品 OTSから血管新生阻害剤導入、09年承認目指す
公開日時 2005/04/04 23:00
扶桑薬品工業は4月4日、オンコセラピー・サイエンスとがん治療用「血管新
生阻害剤OTS102」の開発に関する契約締結を決めたと発表した。05年度中にフ
ェーズ1を開始し、09年に大腸がんを適応に承認取得を目指す。初年度15億円、
早期に年間50億円の市場規模が見込まれる有望な製品になると見ている。
血管新生阻害剤領域(VEGFがVEGF受容体に結合して血管を形成するのを阻害す
る)では、VEGFを標的とするタイプやVEGFの受容体を標的とするタイプなどが
あり、開発競争が熾烈化している。OTS102は、3種類あるVEGF受容体(VEGF-R
1~3)のうち、VEGF-R2というたんぱくの一部からなる薬剤で、この投与によ
り腫瘍への血流を供給している新生血管に対する強い免疫反応が誘導され抗腫
瘍効果が得られることが動物実験で示されているという。
VEGF-R1~3すべてを阻害する薬剤を開発している競合他社もあるが、扶桑では
「VEGF-R2だけの方がより副作用が少ないことを期待している」と話している。