医道審・部会 安全確保できなければ臨床研修中断など措置
公開日時 2004/05/23 23:00
厚生労働省の医道審議会・医師臨床研修部会(部会長・齋藤英彦名古屋医療セ
ンター院長)は5月23日の会合で、臨床研修修了基準に関する提言案について
議論を続けた。臨床研修の「未修了(引き続き同一のプログラムでの研修継続
を前提)」や「中断(他の臨床研修病院での再開を前提)」の対象となる、臨
床医としての適性を欠くケースとして、(1)安心、安全な医療の提供ができ
ない(2)法令・規則が遵守できない(3)重大な傷病への罹患――を挙げた。
(1)はとくに、「著しくミスが多く医療安全が確保できない」「患者と意思
疎通ができず不安感を与える」と例示した。
未修了や中断の検討を行う際には病院側は研修医と十分に話し合うこととして
いるが、本人の意に沿わずにれら措置を行う場合、第三者機関を設置し審議す
るかや地方厚生局がどのように関与するかについては意見が分かれ、次回会合
(6月8日)で提言取りまとめを行う。「中断」は、妊娠・出産や傷病、配偶
者の転勤に伴う転居の場合などを想定。新制度による第1号となる研修医約800
0人のうち4月1日で54人が臨床研修を中断、うち53人は自己都合だが、1人
は、病院側の勧告によるものという。
提言案ではまた、「研修医が指導医の評価を行うこと」についても、「指導医
の資質向上に資することが考えられ、望ましい」とした。