バイオ分野のベンチャー企業、バイオマスター（本社・東京）が横浜市内で美
容外科診療所を開設するとして、神奈川県が国に構造改革特区の認定申請をし
たことが分かり、県保険医協会（平尾紘一理事長）は５月23日付で、申請撤回
を求め県に声明を出した。「（企業の参入は）命と健康を商品化していく水先
案内。株式会社医療機関での混合診療要求へとつながり、自由診療部分を負担
できる富裕層のために、圧倒的多くの国民の医療保険財源が充てられることに
なる」と指摘した。

県の申請は、昨年10月の改正特区法施行に基づく国内第1号。改正法では、再
生医療や遺伝子治療、美容外科医療、体外受精など計６種類の高度医療につい
て、自由診療に限定して株式会社の医療機関経営参入を認めている。県保険医
協会は、「既成事実の積み上げで特区は全国区へとなし崩しになり、外国資本
の参入を招く。再生医療は治療全体の一部の技術で、安全性、有効性が確立さ
れた段階で保険診療に取り入れるべき」としている。