MRに関する調査報告書 医師・薬剤師と製薬企業のギャップ浮き彫りに
公開日時 2006/06/19 23:00
MR教育センターが6月19日公表した医師・薬剤師と、製薬企業を対象に行った
「MRに関する調査報告書」から、面談に先立つアポイントの取得など両者の認
識のギャップが浮き彫りとなった。同センターでは、こうしたギャップを埋め
ることで、訪問規制や面会の困難化が解消に向かう可能性を指摘している。
MRの面談の際のアポイントについて、医師は「必要」が「必要ない」を大きく
上回ったが、企業側はMR・管理職ともに「必要」との回答がほとんどなかった。
MR・管理職の医師・薬剤師に対する面談時間は3~5分が最も多く、同センタ
ーは「アポイントなしの面談では、時間が十分にとれないという大きな問題を
避けることができない。これでは医薬品の適正使用はおろか、患者のために必
要なきめ細かい情報提供、医療安全の確保もままならない」と指摘している。
MRがどのような提案をすべきかについて、「薬物治療に関する具体的提案」に
「非常にそう思う」と答えたのはMRの39.7%に対し、医師は12.5%にすぎなか
った。同センターは「MRは薬物治療のパートナーとしての社会的使命を負って
いることから、エビデンスに沿った公正な提案を行う職種。医師、MRともに再
度MRの使命、薬物療法に関する具体的提案の意味を確認する必要がある」とし
ている。
領域別専門MRを不必要と考える医師・薬剤師は10%程度と少数だった。女性MR
については、医師、薬剤師ともに「担当期間が短い」との意見が多かった。
調査は昨年11月から12月にかけて実施。製薬企業(MR・管理職)2000人、薬剤
師1060人、医師4000人にアンケートを発送し、回収率(回収数)はそれぞれ79.
3%(1585)、58.1%(605)、9.7%(387)だった。