日本化薬 スペシャリティ/GEファーマに舵切る
公開日時 2006/07/02 23:00
日本化薬医薬事業本部の萬代晃本部長(取締役常務執行役員)は6月30日の決
算会見で、今後の医薬事業方針として「スペシャリティファーマおよび特徴あ
るジェネリック(GE)ファーマに大きく舵を切り、事業展開していく」ことを
強調した。GE事業については、従来の導入中心から自社開発を推し進め、「開
発」「生産」「販売」の一貫した形で事業を強化する計画を明らかにした。そ
のための中枢部署として6月にGE戦略部を設置しており、今後は抗がん剤やが
ん周辺領域に限定して品揃えを強化し、年2~3品目を上市する予定という。
同社のGEの売上高は、05年度は20億円で、06年度は34億円への拡大を見込む。
中期的には抗がん剤を中心に製品ラインナップを拡充し、09年度には同事業部
の全売上高500億円のうち、2割にあたる100億円を目指す計画。
他社との差別化戦略については、「自社の製造技術を生かして医療現場から信
頼を得ていく。06年以降に注射剤(抗がん剤)の生産棟を作るが、従来の抗が
ん剤の生産設備で安定供給を継続してやっていける」と話した。06年度の上市
予定3品目のうち、GEでは「PAXGEN」(一般名:パクリタキセル、適応は卵巣
がん、乳がんなど)1品目の上市を予定する。同製品に関し「今後の大きな柱
になってくれると期待している」とした。
一方、新薬事業に関しては、製品導入、受託を促進し、「R&D」から「L&D」へ
と転換し、ライセンシングを中心に強化していく方針。また、開発中のミセル
抗がん剤に経営資源を集中し、パイプラインを強化する。ただし、現在開発中
のNK911(高分子ミセル化塩酸ドキソルビシン、フェーズ2)などについては、
上市時期は計画どおりで、早まることはないという。06年度はPAXGENのほか、
「NS75A」(セトロタイド、早発排卵防止薬)、ジェルパート(肝動脈塞栓療
法、医療機器)の上市を見込む。