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石郷岡東京女子医大教授 「遺伝子多型に応じた抗うつ薬処方の検討を」

公開日時 2006/07/27 23:00

東京女子医科大学医学部の石郷岡純教授は、7月27日の日本うつ病学会で講演し、
日本人の遺伝子多型を考慮した試験でパロキセチンがフルボキサミンに比べて高
い改善率を示した点に触れ、遺伝子多型に応じた抗うつ剤の処方が今後の検討課
題となる点を強調した。海外ではほぼ同等の有効性とされるSSRIだが、十分な
効果を引き出すには日本人の遺伝子型に応じた薬剤選択が望ましいとしている。

石郷岡氏によると、近年、セロトニントランスポーターの遺伝子多型で生体の薬
物に対する反応が異なるといった示唆がある。セロトニントランスポーターをコ
ードする遺伝子は「l型」と「s型」に大別されるが、遺伝子多型の出現頻度に
は日本人と白人には差があり、人種差が何らかの機序を介して薬物反応性に関係
している可能性があるという。日本人の保有する遺伝子の約80%が「s型」であ
る一方、白人の遺伝子は50%以上が「l型」。さらに「s/s型」「l/l型」「l/s型」
に分類すると、日本人では約3分の2がs/s型を占めるが、白人は約2割程度と
なっている。

その具体例として、日本人の大うつ病患者(81例)を対象に、パロキセチンとフルボキ
サミンの有効性(投与6週時)を同一遺伝子多型群で比較した試験をあげた。s/s型
を有する群の改善率をみると、フルボキサミンは60.4%だったが、パロキセチンは
74.9%と有意に高かった。「遺伝子多型でSSRIのレスポンスが異なり、抗うつ剤の
使い分けという点で入り口に来ているのかもしれない」と、遺伝子多型を考慮した
抗うつ剤の選択が将来的な検討課題となることを示唆した。

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