藤本製薬 サリドマイドを承認申請、「多発性骨髄腫」の適応症で
公開日時 2006/08/08 23:00
藤本製薬は8月8日、催眠鎮静剤「サリドマイド」について、多発性骨髄腫の
治療薬として厚生労働省に製造販売を承認申請したと発表した。希少疾病用医
薬品に指定されているため、早ければ来年中に承認される見通しだ。
サリドマイドは妊婦が服用し、胎児の手足に障害が出るといった深刻な薬害被
害を引き起こしたため、62年に国内販売が禁止された。しかし、近年には海外
で多発性骨髄腫に効果があることが判明し、一部の国で治療薬として承認され
た。また、国内でも個人輸入で使用する医師が増加。患者団体が厚労省に早期
承認を求めるなど、医薬品として見直されてきた。その半面、厚労省の調査で
は、医師が妊婦であるかを事前に検査せず、投与されている実態も明らかとな
り、未承認薬であるがゆえの安全対策の不十分さも露呈していた。
藤本製薬は昨年7月から臨床試験を開始。国内の患者38人を対象に有効性や安
全性を調べた結果、海外と遜色ないデータを得た。副作用対策としては、事前
に妊娠検査を義務付けて、使用する医師を登録制にするなど安全管理を徹底す
る方針だ。