米トランプ大統領 MFN直販サイト「TrumpRx.」公開 第一弾は5社43品目の割引価格 合意16社に拡大
公開日時 2026/02/10 04:52

米トランプ大統領は2月5日(現地時間)、最恵国待遇(MFN)価格で合意したグローバルメガファーマの医療用医薬品を米国民が直接購入できるWebサイト「TrumpRx.gov」(https://trumprx.gov/)を公開した。当初は、アストラゼネカ、イーライリリー、EMDセローノ、ノボノルディスク、ファイザーの該当製品43品目とそれぞれの割引価格を掲載。患者はTrumpRx.にアクセスし、薬剤の割引クーポンを自身のスマホにダウンロードして薬局で利用するほか、一部は製薬企業の直販サイトで割引を受けることができる。米政権によると、すでにグローバルメガファーマ16社とMFN価格協定に合意したことを明らかにし、今後数か月以内に他社製品の割引価格をTrumpRx.に掲載するとした。
◎オゼンピック皮下注の割引率は51~81%、ウゴービ錠は78~89%

今回、TrumpRx.に掲載されたMFN価格製品は、米国内で年間の医療支出が高い糖尿病や肥満症の治療薬が含まれた。ノボ ノルディスクのオゼンピック皮下注は用量に応じて月間の購入額が1028ドルから平均350ドル(割引率51~81%)に、ウゴービ錠は1349ドルから最低199ドル(割引率78~89%)にそれぞれ価格が引き下がる。また、ウゴービ錠には、「期間限定オファー」が適応され、同剤1.5 mgおよび4 mg錠を毎月149 ドルで購入できるほか、同剤4 mgのオファーは26年4月15日までとし、その後は 4 mgを毎月199ドルで購入できると表示している。
◎ゼップバウンドの割引率は最大72% 「LillyDirect」を通じて注文受付を明記
一方、イーライリリーのゼップバウンドは投与量に応じて月間購入額が1087 ドルから平均346ドル、最低299ドルまで価格が引き下げられ、最大72%の割引で同剤を購入できる。また同剤は、イーライリリー・アンド・カンパニーの「LillyDirect」を通じて同剤の単回投与バイアルの注文を受付けることもサイト上に公開された。
◎不妊症、COPD、喘息、アトピー性皮膚炎の該当品もそれぞれ値引き
このほかEMDセローノの不妊症治療薬ゴナールFは、投与量に応じて1本あたり168ドル(割引率83%)まで価格が引き下げられるほか、同じく不妊症治療薬セトロタイドの価格は316ドルから22.50ドル(割引率93%)、同じくOvidrelの価格は251ドルから84ドル(割引率67%)まで価格が下がる。慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療に使用されるアストラゼネカの吸入器ビベスピエアロスフィアは458ドルから 51 ドル(割引率89%)に値下げ。喘息の症状や発作の治療に使用されるAirsupra(アルブテロール/ブデゾニド)吸入エアロゾルの価格は504ドルから201ドル(割引率60%)に値下げ。ファイザーのアトピー性皮膚炎の外用軟膏EUCRISA(ユークリサ)は792ドルから158ドル(割引率80%)に引き下げる。
患者はTrumpRx.にアクセスし、購入を希望する製品のクーポン券を印刷するか、自身のスマホにダウンロードし、それを薬局で提示して割引を受ける。
◎トランプ大統領 MFN価格協定の合意企業16社 書簡送付17社中で未合意はリジェネロン1社のみ

トランプ大統領は2月5日、書簡を送付した17社中16社がMFN価格協定に合意したことを明らかにした。最近では、ジョンソン・エンド・ジョンソンが1月8日付で最恵国待遇価格協定に合意し、TrumpRx.への参加を表明している。また同社は、米国での製造や研究開発に550億ドルを投資する方針を示していた。
1月12日にはアッヴィもMFN価格協定に合意。同時に今後10年間で米国内の製造・研究開発(R&D)と設備投資に1000億ドルを投じる計画を発表していた。
これによりトランプ大統領とMFN価格で合意した製薬企業は、①ファイザー、②アストラゼネカ、③イーライリリー 、④ノボ ノルディスク 、⑤EMDセローノ、⑥アムジェン、⑦ブリストル・マイヤーズ スクイブ 、⑧ベーリンガーインゲルハイム、⑨ジェネンテック (ロシュ傘下)、➉ギリアド・サイエンシズ、⑪グラクソ・スミスクライン、⑫メルク、⑬ノバルティス、⑭サノフィ、⑮ジョンソン・エンド・ジョンソン、⑯アッヴィ(合意期日順)。なお、トランプ大統領が25年7月末に製薬企業の経営トップに充てた書簡を直接送付した企業のうち、まだ合意していないのはリジェネロンの1社のみとなった。