NPhA三木田会長 26年度改定の門前立地減算「差別的で断固受け入れられない」 開局抑制も問題提起
公開日時 2026/02/13 05:30

日本保険薬局協会(NPhA)の三木田慎也会長は2月12日の定例会見で、2026年度診療報酬改定の答申を控える中で、新設の“門前薬局等立地依存減算”について、「差別的で、断固受け入れられない」と拒否する構えを示した。薬局機能と薬剤師の職能で評価すべきだと主張。制度的な逆風が吹くなかでも門前薬局が存在するのは、薬局が機能発揮に努めた結果、患者に選ばれているとして、「特定の門前立地をターゲットにしたバッシングはもうそろそろ卒業してくれませんか」と迫った。距離要件による減算措置により、開局抑制がなされることにも強い抵抗を示し、「新規出店が絶望的にできなくなる社会がどういう社会か、問題提起をしたい」、「高市政権にも是非問いたい」とも話した。
◎患者のための薬局ビジョン策定10年も実現遠い理由は「報酬改定する側に患者志向がない」とバッサリ
26年度診療報酬改定で新設される“門前薬局等立地依存減算”は、都市部の門前薬局や密集薬局、医療モール内薬局で処方箋集中率が高い新規開局薬局の調剤基本料を減算するというもの。厚労省保険局医療課は、「患者のための薬局ビジョンの策定から10年が経過した現在の保険薬局の実態及び損益率の状況を踏まえ、保険薬局が立地に依存する構造から脱却し、薬剤師の職能発揮を促進する観点から、調剤基本料を見直す」として、門前薬局等立地依存減算を提案した。
三木田会長は、「大変ショッキング」と切り出し、「なぜ薬局ビジョンが達成できなかったのかが大変重要だ。患者動向、患者志向というマーケットインの発想が報酬改定を作る側に全く意識されていない結果」と指摘した。「現在、門前薬局にも面薬局にも、ドラッグストアにも患者がいる。消費者はとてもシビアだ。自らにメリットがある、対応が良い薬局があればそこに必然的に流れる」と説明。「(門前薬局の)何がいけないのか」と率直に語った。
◎新規開局で距離要件「昭和の遺品、時代錯誤も甚だしい」 競争のない社会に疑義
新規開設の薬局で距離要件に該当する場合は、減算されることから、「昭和の時代に遡った過去の遺品。土から掘り起こしてまたこれか、と時代錯誤な甚だしいという印象を持っている」と指摘。「いまや、医療 DX が進み、情報を取れるなかで、場所によって患者サービスが低下することにはならない。また減算という理由を私は問いたいし、本当に国がこういう方向に向かって政策を実行しようとしているのか。これは是非高市政権に問いたい」と強調した。
既存薬局にとっては、新規出店する薬局が周囲になくなると見通し、「競争のない世界になる。その結果、薬局全体のクオリティが下がっていくことになりかねない」と強調。「自由主義で競争を促さない社会というものを本当に構築しようとしているのか。私は本当にショックで、これを見た瞬間寝られなかった」と吐露した。中医協の議論を踏まえても、門前薬局等立地依存減算の導入は「全く予期していなかった」と明かし、予見可能性の観点からも問題意識を示した。
◎医療モールの医療機関は1つの医療機関 処方箋集中率の変更に「マイナス改定と断言してもいい」
処方箋集中率の計算において、医療モール内の複数保険医療機関は1つの医療機関とみなすことに変更されることにも言及。「全体のネガティブインパクトが大変大きい」と指摘した。何科のクリニックであろうが一つの医療機関として見なされることに問題意識を表明。技術料の大幅ダウンが予想されるとして、賃上げによるプラス分を相殺し、「マイナス改定と断言してもいい」と厳しい評価を下した。
一方で、都市部にて処方箋受付回数が少なく処方箋集中率が高い新規開設薬局は、調剤基本料1を算定できず、調剤基本料2に引下げられる。しかし、当面の間既存薬局には適用されないなど、激変緩和措置が設けられている。三木田会長は、「医療モールは6月1日から即刻アウト。これは極めてアンフェアと言わざるを得ない」と指摘。「同じ薬局を営む者として、当然当面の間不利益変更にならないためには同じ扱いでいくとことを私たちは強く求めている」と述べた。同日開かれた常任理事会でも会員会社から怒りの声が相次いだとして、「各社とも相当、怒っている」とも話した。
◎地域支援・医薬品供給対応体制加算「医薬品流通が報酬に絡っていること違和感」
26年度診療報酬改定では、地域支援体制加算と後発医薬品調剤体制加算を統合し、地域支援・医薬品供給対応体制加算を新設される。新たな要件として、「原則として全ての品目について単品単価交渉とすること」とするなど流通改善の項目が盛り込まれた。三木田会長は、「医療用医薬品の流通に関することでも報酬に絡っていることに違和感がある」と吐露した。後発品80%目標の達成に向けて薬局側も対応してきたと説明。「調剤室の医薬品の在庫数が一気に膨らんでいる。医薬品の管理や流通が非常に大変な作業が現場には残っている。引き続き一定の評価をしていただきたい」と話した。
また、新設の点数でも調剤基本料1とそれ以外の薬局では算定要件が異なる方向であることから、実績要件などが課されることから「同じ技術料だから、規模の大小は関係ない。将来に向けての継続審議だ」と述べた。