オンコリス 25年12月期決算は減収減益もテロメライシン承認見込み「今年は大きな飛躍を」
公開日時 2026/02/09 04:51
オンコリスバイオファーマの浦田泰生代表取締役社長は2月6日に開催した2025年12月期決算説明会で、「今年は大きな飛躍を遂げていきたい」と抱負を語った。25年12月期決算は営業利益が28億2400万円の赤字となだったが、25年12月に承認申請した腫瘍溶解ウイルス製剤・テロメライシンの、26年夏に承認されるとの見通しを示し、期待感を示した。浦田社長は、「これまでバイオベンチャーモデルの中で進めてきたが、研究開発からグローバル展開も含め、いわゆる製薬会社型のモデルに徐々に展開していきたい」と語った。
テロメライシン(OBP-301)は、がん細胞で特異的に増殖し、細胞を溶解させるよう遺伝子改変された5型のアデノウイルス製剤。国内では、「根治切除及び化学放射線治療の適応とならない食道がん」を対象とした希少疾病用再生医療等製品(オーファンドラッグ)指定を受けているほか、米国でもオーファン指定を受け臨床試験が進められている。
浦田社長は、「現段階でも条件付きではなく通常承認を狙っていきたい」とし、PMDAと協議中であることを明かした。薬価については、「食道がんの局所治療薬は世の中になく、アデノウイルス製剤も世界で初めてだ」としたうえで、各種加算による高薬価の獲得を目指す方針を示した。
体制面については、「生産物流までできるよう社内体制を相当大きく変換しなければならない。新しいドアを開けて新しいオンコリスに向かっていけるよう全社一丸となって頑張っていきたい」と力を込めた。
◎生産・販売体制を強化 承認後の迅速上市に備え
生産調整・メディカルアフェアーズ担当の久保田俊之執行役員は、「26年半ばの承認、その数か月後の薬価収載というスケジュールに則って生産計画を立てている」と説明。安定性試験において18か月での安定性が確認され、「商用の一ロット目は薬価収載と同時に出荷ができるよう準備を進めている」と述べた。
販売面では富士フイルム富山化学と提携。久保田氏は、「販売初期には食道がんの患者さんがいる約80施設に絞って販売促進活動を行う。5年以内には食度がんの治療を実施している大部分を占める300施設へ届けられるように準備している」との計画を示した。
営業戦略では、先駆け加算・オーファン加算・有用性加算などの取得による「高薬価戦略」を推進する。また、「カルタヘナの運用方法について医療現場での簡便性を確保することができた」とし、外来通院での治療を可能にしたことで施設側の負担軽減につながる点を、販売活動に生かしていく考えだ。今後は効能拡大を狙い、「食道がん以外のがん種も含め、さらに多くの患者様に薬が届けられるよう、貢献していきたい」と意欲を示した。
◎研究開発費急増で赤字 26年予想は非開示
25年12月期決算(1~12月)は、売上高が前年同期比9.0%減の2800万円、営業利益は28億2400万円の赤字だった。承認申請に向けた研究開発費が3億8000万円増加したことなどが響いた。26年の業績見通しについては、テロメライシン承認後の売上など不確定要素が多いことから、非開示とした。