協和キリン 中長期構想を発表 2030年代前半までに20以上の新規パイプライン、10のFDA承認を
公開日時 2026/02/12 04:50

協和キリンのアブドゥル・マリック代表取締役社長COOは2月10日、今後の中長期構想を発表し、「2030年代前半までに20以上の新規パイプライン、10以上の適応症でのFDA承認を目指す」と宣言した。協和キリンはこれまで中期経営計画を策定してきたが、環境変化に柔軟に対応するために、各年度の計画と3年間の見通しを盛り込んだ中長期構想を策定した。同日公表した2025年12月期(1-12月)決算では、コア営業利益が前年同期比8.0%増の1031億円と過去最高益となったことも報告された。
策定したのは、「Vision 2030 and Beyond」。2030年代前半までの目標としては、パイプライン数や承認数のほか、「コア営業利益率30%、ROE10%台前半の実現」も盛り込んだ。目標達成に向けては、柱の一つとして研究基盤の強化を挙げた。先進的な抗体技術や遺伝子細胞治療といったモダリティの強化をはじめ、疾患領域の選択と集中やグローバルでの研究連携を推進する計画を示した。また、患者団体との連携やAIの活用など様々なステークホルダーとの協働にも取り組んでいく方針を示した。
◎25年12月期 コア営業利益は1031億円で過去最高益を達成
協和キリンの2025年12月期決算は、売上高が前年同期比0.3%増の4968億円、コア営業利益が前年同期比8.0%増の1031億円の増収増益となった。売上総利益の増加に加えて販管費や研究開発費を低減したことで、過去最高益を達成した。
26年12月期の業績予想は、売上高が前年同期比4.7%増の5200億円、コア営業利益が前年同期比8.9%減の1000億円との見通しを示した。コア営業利益は、米アムジェンとの共同開発提携が終了したロカチンリマブについて、米国上市に向けた準備費用や開発費の増加が影響するとの見通しを示した。
◎ロカチンリマブの単独開発 「150~200億円の追加費用」も次なる基盤製品として期待
米アムジェンとの共同開発・商業化提携を終了した抗OX40抗体・ロカチンリマブについても言及した。引き続きアムジェンのサポートを受けつつ自社開発を進めていく方針を改めて示し、「アムジェンとの協力により、単独ではできなかったロカチンリマブの革新を進めることができた」と意義を強調した。
協和キリン単独でロカチンリマブの開発・商業化を進めていく上で、マリックCOOは「150~200億円の追加費用を計上した」としつつ、「多くの患者さんに新たにLife-changingな価値をもたらし、次なるグローバル製品の基盤になると確信している」と強調した。今後の商業化については、「まず日本とアメリカに注力し、さらにヨーロッパやアジアの可能性も検討していく」と述べた。
26年度12月期からコアベースの業績指標を変更することも発表。従来のコア営業利益から無形資産償却費(販売権償却費)、持分法による投資損益、非経常的な損益を対象外とする改定を行う。
【連結業績(前年同期比) 26年予想(前期比)】
売上収益 4968億2600万円(0.3%増) 5200億円(4.7%増)
コア営業利益 1030億6200万円(8.0%増) 1000億円(8.9%減)
親会社帰属当期利益 670億4000万円(12.0%増) 750億円(11.9%増)
【主要製品の売上収益(前年同期実績) 26年予想、億円】
Crysvita 2164(1966) 2354
Poteligeo 457(399) 546
Libmeldy/Lenmeldy 64(33) 100
Nourianz 95(88) 74
フォゼベル 82(47) 116
ダーブロック 155(127) 162
ネスプ 14(26) 8
ネスプAG 104(116) 92
ジーラスタ 182(205) 162
ロミプレート 159(139) 114
オルケディア 113(104) 116
リツキシマブBS 69(78) 79
ノウリアスト 63(69) 51
ハルロピ 45(46) 40
技術収入 584(488) 749
うち、ベンラリズマブ ロイヤルティ 381(314) -