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アストラ イレッサ投与患者の急性肺障害・間質性肺炎発症率は3.2倍

公開日時 2006/09/28 23:00

アストラゼネカ日本法人は9月27日、日本人で非小細胞肺がん治療薬イレッサを
投与した場合、化学療法に比べ、急性肺障害・間質性肺炎(ILD)の発症率が3.2
倍高まることを発表した。世界で初めて実施された日本人の薬剤性肺障害に関す
る前向き大規模調査(コホート内ケースコントロールスタディ)を分析した結果
で、イレッサによるILDの発症リスクが投与開始後4週間以内に高まることも分
かった。調査結果は厚生労働省に報告したという。

調査はイレッサ投与、非投与でのILDの相対リスクおよび危険因子を検討するた
めに実施したもので、51施設54診療科で登録した4423人の非小細胞肺がん患者が
対象となった。03年から登録を開始し、06年2月に追跡を終了したが、登録者の
42%がイレッサの投与を受けていた。

イレッサ投与後3ヶ月以内でのILDの発症率は4.0%(患者背景の偏りを調整する
前の数値)で、化学療法は2.1%だった。ILDの発症率は同社が実施した特別調査
時の5.8%より低かったが、「特別調査後のいろいろなリスクが研究されて、医
師がリスクの低い患者に投与した結果ではないか」と説明した。

ILD発症後の死亡率は、イレッサ31.6%、化学療法27.9%で有意差は見られなか
った。同調査の実施メンバーの日本医科大学内科学講座(呼吸器・感染・腫瘍部
門)の工藤翔二主任教授は「イレッサの方がより作用が強くて、死亡率は化学療
法より高いと思っていたが、結果は同じだった」と述べたうえで、「(化学療法
では好中球減少など骨髄抑制の発症率が高いのに対し)イレッサでは通常の抗が
ん剤の重篤な副作用の出方とは全く異なることが分かった」と解説した。イレッ
サ投与による治療関連死は1.6%だった。

イレッサによるILD発症リスクが投与開始後4週間以内に高まる理由については
「投与後4週間以内と4週間以降でメカニズムが同じか、異なるか全く分からな
い」とし、今後の課題とした。

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