アストラ/塩野義 クレストール使用成績調査、日本人での安全性確認
公開日時 2007/04/22 23:00
アストラゼネカと塩野義製薬は4月20日、スタチン系クレストールの使用成績
調査の最終解析結果を発表した。既に中間解析結果を踏まえ昨年9月から通常
販売に移行しているが、筋・肝・腎への影響など改めて日本人での安全性を確
認した。
有効性の面では、開始用量である2.5mgの投与で、LDL-コレステロール(LDL-C)
が約40%低下し、HDL-Cは5.6%上昇。LDL-C管理目標値の到達率は心筋梗塞の
1次予防で80%以上、2次予防で約70%に達した。
帝京大学内科学の寺本民生教授は両社主催のセミナーで「最も重要なのは強い
LDL-C低下作用であり、心筋梗塞の発症リスクの高い患者では第一選択薬とし
て使われるだろう」との見方を示した。また「今後、死亡率の減少や心筋梗塞
の発症抑制などのエビデンスが出てくれば、大ブレークする可能性もある」と
述べた。
同教授によると、スタチンの投与量と副作用の相関関係が強いことが分かって
いるため、少用量で強い効果を発揮するクレストールやリバロなどストロング
スタチンを新規患者で使うケースが多くなっているという。また、1ヵ月の患
者負担(3割負担)を比較すると、クレストール786円に対し、メバロチン118
3円、リポバス1346円、リピトール1317円となり、負担を軽減したい患者のニ
ーズに合致するとした。