塩野義 クレストール、07年度国内売上4.2倍・ロイヤリティ1.4倍へ
公開日時 2007/05/14 23:00
塩野義製薬は5月14日、07年3月期通期決算を発表した。主力の抗生物質が市
場の縮小と薬価改定により軒並み売上減となったことで、売上高は前期比1.7%
増にとどまった。利益面では高脂血症治療薬クレストールのロイヤリティ収入
の増加や原価率の改善などで薬価改定によるマイナス要因を軽減したものの、
研究開発費など販管費の増加により、各利益は減少した。
海外で伸長しているクレストールのロイヤリティ収入は194億円(前期81億円)
と大幅に伸長し、07年度は280億円を見込む。一方、国内での売上は目標とし
た40億円を達成できず、25億円(前期1億円)にとどまったが、07年度は106
億円を予定。
クレストールの国内販売については「医療現場で経済性がますます重視される
ようになる。競合のスタチン製剤に比べ1ヵ月の患者負担額を安く抑えられる
という費用対効果を訴求する」とし、09年度にスタチン市場の10%のシェア
(処方ベース)を獲得し、228億円の売上を目指す。
一方、不調だった抗生物質関連製品の浮上策としては「アベロックス、フィニ
バックスなどの新製品でこの領域を大きく伸ばしていきたい」とした。
〔連結業績(前期比)07年度予想〕
売上高 1997億5900万円(1.7%増)2150億円
営業利益 288億6300万円(1.2%減)400億円
経常利益 281億1300万円(5.2%減)400億円
純利益 185億9400万円(18.2%減)240億円