中外製薬は７月31日、07年12月期中間（１―６月）決算を発表した。最主力の
腎性貧血治療剤エポジンは上期予想299億円に対し282億円と17億円とどかず、
さらに「７月に発売されたキリンファーマのネスプが想像より薬価が安かった」
ことなどを踏まえ、下期予想を当初の323億円から266億円に57億円下方修正し
た。

インフルエンザ治療薬タミフルは、当初は年間の通常売上を70億円（上期５億
円、下期65億円）、行政備蓄等を222億円（124億円、98億円）の計292億円と
予想していた。これに対し、上期実績は通常売上が５億円の10倍の50億円、備
蓄等が124億円を65億円上回る189億円だった。下期については、通常売上予想
を「10代への原則使用禁止などを踏まえ、処方が半減する見通し」とし当初の
65億円から32億円に下方修正。一方、備蓄等は98億円から109億円に引き上げ
た。大腸がん治療薬アバスチンの通期予想は80億円。

通期業績予想は、下期予想が売上・利益ともに当初予想（２月７日）を下回る
ものの、中間実績が当初予想を大幅に上回った貯金があり、上方修正した。

〔連結業績（前年同期比）通期予想（当初）〕
売上高　　1708億7700万円（12.0％増）3450億円（3320億円）
営業利益　357億7900万円（30.5％増）585億円（525億円）
経常利益　367億5000万円（23.2％増）575億円（525億円）　　
純利益　　211億900万円（12.3％増）335億円（310億円）

〔連結１―６月（前年同期比％）通期予想（当初）、億円〕
エポジン　　282（-9.0）548（622）
タミフル　　238（46.0）380（292）
ノイトロジン187（13.3）369（344）
シグマート　86（0.0）173（169）
リツキサン　85（4.9）186（179）
ハーセプチン79（23.4）174（155）
エビスタ　　72（24.1）159（158）
アルファロール68（-2.9）144（143）
カイトリル　63（5.0）136（137）
スベニール　50（22.0）105（89）　
オキサロール39（11.4）82（81）
リスモダン　30（-6.3）57（63）
ロセフィン　27（3.8）57（58）
レナジェル　26（13.0）57（50）
ペガシス　　24（-20.0）68（69）
セルセプト　16（14.3）34（34）
ゼローダ　　13（8.3）30（25）
コペガス　　６（―）25（―）
フェマーラ　４（300.0）８（７）
アバスチン　３（―）80（―）
アクテムラ　２（0.0）―（―）