メディシノバ・岡島正恒副社長 喘息発作薬MN-221を10年申請へ
公開日時 2008/03/23 23:00
米メディシノバ・インクの岡島正恒副社長(東京事務所代表)は3月21日の決
算説明会で、自社開発・販売を目指しているMN-221(喘息急性発作、キッセイ
薬品から導入)について、2010年下期にNDA(新薬承認申請)を計画している
ことを明らかにした。同剤はMN-166(多発性硬化症、キョーリンから導入)と
ともに同社が経営資源を集中している開発品。MN-166は4月初めに発表するフ
ェーズ2の結果をもとに、他社への導出交渉を進める方針だ。
MN-221はβ2アドレナリンレセプターに対する選択性が高く、既存の薬剤にみ
られる心臓循環器への副作用が少なく、安全性が高いとされる。昨年終了した
フェーズ2aで主要評価項目を達成するなど、良好な結果が得られた。08年上
期には、フェーズ2a(時間延長投与)とフェーズ2b(単盲試験)を新たに始
めるほか、同年下期からフェーズ2b(二重盲試験)を開始する計画だ。
一方、MN-166は、既存の治療薬には注射か点滴薬しかないのに対し、経口剤で
あることが最大の特長。フェーズ2の結果によると、抗炎症効果と神経保護作
用が確認されたとして、「神経保護作用が認められた場合は画期的な治療法に
なる可能性がある」とした。また、試験1年目の結果として、軸策の損傷に関
係あるとされる脳重量の損失軽減で効果が確認されたという。
副作用の発現率はプラセボ投与群より約2倍高かったが、軽い胃腸障害のみで
安全性に問題はないとした。開発競合品には、「FTY720」(ノバルティス)や
Cladribine(メルクセローノ)、「BG-12」(バイオジェン・アイデック)、L
aquinimod(テバ)がフェーズ3を実施中。ただし、FTY720は血圧上昇心拍低
下、呼吸困難、Cladribineは熱、めまい・吐き気、リンパ球減少、BG-12は頭
痛・鼻咽頭炎、肝酵素上昇、Laquinimodは肝酵素上昇、関節痛、フィブリノゲ
ン上昇など「競合品は副作用の問題が大きい」として、MN-166の競走上の優位
性をアピールした。