武田薬品 ミレニアム買収、特許切れ対策の切り札
公開日時 2008/04/13 23:00
武田薬品工業の長谷川閑史社長は4月10日、米ミレニアム社買収会見で「当社
にとっては過去最高の投資になるが、がん領域にかける意気込みを理解しても
らえるのではないか」と語った。
ミレニアムの多発性骨髄腫治療薬ベルケードは今年6月にファーストラインと
して米国承認が見込まれるなど、長谷川社長は「米国だけでも、ピーク時の売
上は1000億円を超えるブロックバスターになる可能性が大いにある」とし、
「10年以降、米国で迎えるPPIプレバシド、続く糖尿病治療薬アクトスの特許
切れへの対策は、昨年末に後継品を申請するなどぬかりないが、ベルケードの
伸長がこれらのマイナス影響を最小限に抑えるための有効な対策のひとつにな
ると確信している」と大きな期待を寄せた。
開発パイプラインには「がん」「IBD」(潰瘍性大腸炎、クローン病)「炎症
疾患」領域に、フェーズ3に1品目(ベルケードの濾胞性非ホジキンリンパ腫
への適応追加)、フェーズ2に5品目(「MLN0518」神経膠腫・急性骨髄性白
血病、「MLN0002」IBD、「MLN1202」アテローム性動脈硬化など)、フェーズ
1に2品目がある。
武田はアムジェン日本法人を買収や、米セルジェネシスから前立腺がんワクチ
ンの世界的独占販売権を取得するなどがん領域を急速に強化してきた。
発表翌日(4月11日)の武田の株価終値は前日比110円(-2%)安の5300円と
なった。