北里大・澤村氏 尖圭コンジローマではベセルナを第1選択薬に
公開日時 2008/07/10 23:00
北里大学の澤村正之非常勤講師(泌尿器科)は7月9日、持田製薬の性感染症
(STD)治療に関するプレスセミナーで講演。尖圭コンジローマ治療には、再
発防止やHIV感染予防の観点からも、外科的治療ではなく、免疫賦活の作用機
序をもつベセルナクリームをファーストチョイスとして使うことを推奨した。
同剤は持田製薬が昨年12月に発売した製品。
尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染により発症し、
性器や肛門周辺にイボができる。治療薬はなく、外科的治療が中心で、液体窒
素を用いた冷凍凝固や電気焼灼などが主流。ただし、ウイルス遺残による再発
率が30~40%と高いのが弱点。それに対し、ベセルナクリームは塗布した部位
の免疫力を高める効果があり、HPVを攻撃、イボを消失させる。澤村氏は「赤
み、ただれなどの副作用があるが、ウイルス免疫を獲得することで再発や再感
染の予防効果が期待できる。また、HPV感染者はHIVウイルスにも感染しやすい
ことから、エイズ予防にもつながる」と期待感を示す。
また、同氏が院長を務める新宿さくらクリニックの58症例を紹介。ベセルナク
リームを用いた治療期間は、イボが縮小するまで平均5.1週、消失まで平均4.6
週かかったという。外科手術に比べ治療期間が長く、コストもかかるものの
「再発防止のために、イボ消失後も少なくとも1ヵ月は治療を継続する方法が
効果的」との見解を示した。