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25年度国内医療用薬市場 売上1000億円超に11製品 マンジャロは発売3年で達成 市場は最高額更新

公開日時 2026/05/22 04:52
IQVIAは5月21日、2025年度(25年4月~26年3月)の国内医療用医薬品市場で、年間売上が薬価ベースで1000億円を超えた製品が11製品に拡大したと発表した。前年度は8製品だった。25年度は売上1位から順にキイトルーダ、リクシアナ、デュピクセント、マンジャロ、オプジーボ、タケキャブ、エンレスト、タグリッソ、イミフィンジ、フォシーガーーで、11製品目は明らかにしていない(IQVIAは売上上位10製品のみ開示)。また、マンジャロは前年度から3.2倍となる1310億円を売り上げ、23年4月の発売から3年目で1000億円の大台にのせた。国内市場は前年度比3.1%増の11兆8420億円(1億円未満切捨て)となり、会計年度での最高額を5年連続で更新した。

文末の「関連ファイル」に、25年度の市場規模や売上上位10製品の売上データに加え、売上上位製品の四半期ごとの売上推移をまとめた資料を掲載しました(ミクスOnlineの有料会員のみ閲覧できます。無料トライアルはこちら

◎1位キイトルーダ 売上は唯一2000億円台 前年度比18.3%増収

25年度の製品売上をみると、1位のがん免疫療法薬・キイトルーダの売上は前年度比18.3%増の2269億3200万円で、全製品の中で唯一2000億円台にのせた。26年2月1日付で特例拡大再算定により薬価が7%引き下げられ、四半期ベースで成長率が若干鈍化したものの、それでも26年1~3月の売上は536億8100万円、前年同期比13.1%増の2ケタ増収を記録した。

IQVIAによると、キイトルーダは24年のHER2陰性胃がんや胆道がんに続き、25年はHER2陽性胃がんや悪性胸膜中皮腫の適応を追加し、製品の最大化につながった。現在、再発卵巣がんなどの適応追加を申請中ということもあり、「今後も堅調な成長が期待される」と分析している。

◎マンジャロ 1年で900億円以上の伸長 エンレストは発売6年目で1000億円超え

今回売上トップ10入りを果たしたのは2型糖尿病治療薬・マンジャロで、今回売上1000億円を超えた製品はマンジャロと心不全・高血圧症治療薬・エンレストの2剤あった。

マンジャロの売上は前年度比222.5%増の1310億4400万円だった。金額では、この1年間に900億円以上伸ばした計算になる。売上ランクは4位。血糖降下や体重減少を実感する医師が多く、減量の成功体験が患者の治療継続率を高めており、それらが驚異的な売上増の要因のひとつになっているとみられる。

エンレストの売上は38.2%増の1229億8100万円だった。売上ランクは前年度10位から今回7位にアップした。堅調な市場浸透に加え、25年4月の中間年改定で小児加算などにより薬価が10%引き上げられたことも増収に大きく寄与した。発売6年目で1000億円超えを記録した。

◎デュピクセントとイミフィンジ 26年1~3月に力強い成長

売上上位10製品は、1位キイトルーダ、2位は抗凝固薬リクシアナ(売上1640億9900万円、前年度比8.3%増、前年度2位)、3位はアトピー性皮膚炎・気管支喘息等治療薬・デュピクセント(1334億円3800万円、9.6%増、4位)、4位マンジャロ、5位はがん免疫療法薬・オプジーボ(1278億4400万円、6.5%減、3位)、6位は抗潰瘍薬・タケキャブ(1261億7900万円、4.4%増、5位)、7位エンレスト、8位は抗がん剤・タグリッソ(1140億7400万円、2.7%増、6位)、9位はがん免疫療法薬・イミフィンジ(1073億4800万円、4.0%増、8位)、10位は糖尿病・心不全・CKD治療薬・フォシーガ(1024億9800万円、1.0%減、7位)――だった。前年度に9位だった加齢黄斑変性治療薬・アイリーアは今回10位圏外となった。

このうちデュピクセントは、25年3月に6つ目となるCOPDの適応を取得し、26年1~3月には前年同期比16.2%増と力強い成長を見せた。26年3月には中等症から重症の水疱性類天疱瘡の適応も追加しており、IQVIAは「今後の成長が期待される」としている。

また、イミフィンジは24年2月に特例拡大再算定により25.0%の薬価引下げを受けたうえ、同年8月には用法用量変化再算定で11.1%の薬価引下げを受けた。四半期ベースでマイナス成長が続いていたが、26年1~3月は前年同期比23.7%増を記録した。IQVIAは既存適応での市場浸透に加え、25年9月に取得した膀胱がんの術前・術後補助療法を成長要因のひとつに挙げた。

◎後発品参入のフォシーガ 26年1~3月に売上トップ10圏外

一方、25年度に6%強の減収となったオプジーボは唯一、四半期ベースの全てでマイナス成長だった。25年4~6月は前年同期比9.3%減、7~9月は6.1%減、10~12月は7.2%減、26年1~3月は2.7%減――。同剤にとって売上比率が高い胃がん1次治療での競争激化などで厳しい状況が続いている。

同じく1%の減収だったフォシーガは、25年12月に2型糖尿病の適応に対し後発品が参入した影響が出た。25年10~12月は前年同期比1.7%の減収、26年1~3月は売上トップ10圏外となった。

◎イベニティが急成長 10年ぶり改訂の骨粗鬆症治療GLの影響大きく

このほか、26年1~3月は、骨折の危険性の高い骨粗鬆症の治療薬・イベニティが前年同期比33.8%増の250億5400万円を売り上げ、10位にランクインした。IQVIAは、25年7月に10年ぶりに改訂された「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版」で、骨折リスクの高い患者に対しイベニティが推奨薬に位置付けられたことで「成長に大きく貢献した」としている。

◎25年度 病院市場4.8%増 開業医市場0.3%減 薬局その他は2.6%増

25年度の国内市場は5年連続で最高額を更新した。内訳は、100床以上の病院市場は4.8%増の5兆5677億円、100床未満の開業医市場は0.3%減の2兆1479億円、主に調剤薬局で構成する「薬局・その他」市場は2.6%増の4兆169億円だった。

病院市場は抗腫瘍剤の自律成長が回復したことに加え、アルツハイマー病治療薬や乾癬治療薬の新薬の成長が貢献した。プラス成長に転じた「薬局・その他」市場は、新型コロナ関連薬の減少分を、糖尿病治療薬、免疫抑制剤、乾癬外用剤の成長で相殺し、2%台の市場成長をみせた。一方、開業医市場は、糖尿病治療薬や骨粗しょう症治療薬が伸長したが、新型コロナ関連薬やワクチン類の減少が響き、若干の市場縮小となった。

◎薬効別売上 抗腫瘍剤は2ケタ成長で初の2兆円台 糖尿病薬で売上トップ製品交代

25年度の薬効別の売上を見てみる。薬効別売上1位で病院市場をけん引した抗腫瘍剤は10.0%増の2兆1716億円となった。2ケタ成長により、初めて2兆円台にのせた。

薬効別売上2位の糖尿病治療薬は8.0%増の8361億円だった。薬効内の売上1位は、これまでのフォシーガに代わってマンジャロとなった。

薬効別売上3位の免疫抑制剤は1.9%増の6737億円だった。デュピクセントやリンヴォックなどの新薬は力強い成長をみせたが、24年5月にバイオシミラーが登場したステラーラ(43.9%減)や、ヒュミラ(14.5%減)などの減収影響で低成長となった。ただ、価格影響を除いた数量ベースでは前年度比7.4%増だった。

◎「その他の骨格筋用剤」が初のトップ10入り

このほか、「その他の骨格筋用剤」が10位となり、初めてトップ10入りした。前述した10年ぶりに改訂された骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版で、「骨折リスクの高い患者に対する持効性注射剤が強く推奨された」(IQVIA)ことが、成長に大きく貢献した。

◎企業売上ランク 中外製薬が5年連続の1位 2位に第一三共

企業売上ランキングを見てみる。「販促会社ベース」(販促会社が2社以上の場合、製造承認を持っているなどオリジネーターにより近い製薬企業に売上を計上して集計したもの)では、中外製薬が暦年と同様5年連続の1位となり、売上は2.8%増の5493億円だった。加齢黄斑変性治療薬・バビースモが24.7%増収となるなど複数の新薬群の成長で首位を守った。

2位は第一三共で8.3%増の5331億円だった。前年度は3位。リクシアナやエフィエント(13.0%増収)などが好調だった。3位は前年2位だったアストラゼネカで、1.1%増の5169億円だった。特例拡大再算定などを受けたイミフィンジや、後発品参入で減収局面に入ったフォシーガなどの影響で低成長となった。

◎ノバルティス、イーライリリー、GSK、アムジェンの4社が2ケタ成長

売上上位20社をみると、5位のノバルティス(売上4025億円、10.5%増、前年7位)、7位の日本イーライリリー(3805億円、40.3%増、10位)、11位のグラクソ・スミスクライン(2966億円、22.0%増、15位)、20位のアムジェン(1920億円、57.7%増、20位圏外)――の4社が2ケタ成長を果たした。

IQVIAによると、ノバルティスの2ケタ増収にはエンレストと抗がん剤・セムブリックスが貢献。イーライリリーの大幅増収は、マンジャロ、アトピー性皮膚炎治療薬・イブグリース、アルツハイマー病治療薬・ケサンラがドライバーとなった。GSKは25年度に定期接種化された帯状疱疹ワクチンのシングリックスが大きく貢献した。アムジェンは、イベニティ、活動性甲状腺眼症治療薬・テッペーザ、抗がん剤・イムデトラがけん引した。
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