厚労省・検討会 サリドマイドの安全管理システムを検討
公開日時 2008/08/26 23:00
1960年前後に世界的な薬害を引き起こしたサリドマイド製剤が多発性骨髄腫治
療薬として臨床で使用される可能性が出てきたことから厚生労働省は8月26日、
被害者、患者ほか医学の専門家など12人からなる検討会の初会合を開き、製剤
を安全に適正に使うための安全管理システムの検討を始めた。
このシステムは、同製剤を承認申請している藤本製薬が厚労省、被害者、患者
らの協力で安全管理基準案を作り、検討会に提出した。藤本製薬が、使用する
医療機関、医師、患者、流通担当者らをあらかじめ登録させ、製剤の使用状況
を細かくチェックする内容。システムの構築は同製剤の正式承認の前提となっ
ている。
26日は手続きが繁雑だなどの意見が出されほか被害者側は慎重な議論を求めた
ことから、9月4日に次回会合を開くことになった。取りまとめ時期は、厚労
省は「慎重に議論したい」とし明らかにしていない。
検討会委員で日本骨髄腫患者の上甲恭子副代表は、終了後に「承認申請から2
年たち、道のりは長かった。ここまで来たことは感慨深いが、まだ何かあるの
かもと恐怖もある。この間にも亡くなられた方もおり、後戻りはできない」と
話した。