厚生労働省は８月26日、09年度概算要求をまとめた。一般会計は08年度比8292
億円増（3.7％増）の22兆9515億円。内訳は、年金・医療等に係わる経費が638
9億円増の21兆4085億円、義務的経費が404億円増の6036億円、公共事業関係が
35億円減の674億円、その他経費が1535億円増の8720億円となった。重要課題
推進枠関係では、政府が決めた「５つの安心プラン」などで1860億円とした。

医薬品分野では新型インフルエンザ対策には568億円（63億円増）。タミフル・
リレンザといった抗インフルエンザ薬と鳥―ヒト感染のインフルエンザウイル
スをもとに作られるプレパンデミックワクチンの備蓄を進めるほか、新型イン
フルエンザが発生した場合にそのウイルスをもとに製造されるパンデミックワ
クチンの早期確保を図るための研究開発の促進費に482億円を計上。地域での
医療提供体制の整備推進に48億円とした。

医療分野では、主に医師確保や医療現場の環境の改善などで、およそ1.5倍と
なる1013億円（352億円増）を計上。休日・夜間の救急医療を担う勤務医や地
域の産科医療を支える医師への手当て、へき地に派遣される医師の移動などに
必要な手当てに対し財政支援する。また、地域医療の推進では、地域全体の医
療機関の専門性に関する情報を共有し、病状に応じた適切な医療を提供できる
医療機関・受診科へ患者を振り分けることができる体制を整備のほか、夜間・
休日の二次救急医療機関を地域の開業医に応援してもらうための財政支援など
も計上した。