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日本ベーリンガー 25年売上高2713億円 ハッソン社長「単なる市場でなく研究開発・生産のパートナー」

公開日時 2026/06/04 04:52
日本ベーリンガーインゲルハイムは6月3日、日本の医療用医薬品事業の2025年売上高は前年同期比7.9%増の2713億円(薬価ベース)だったと発表した。7年連続の増収で、ジャディアンスの慢性腎臓病(CKD)適応での浸透が成長ドライバーとなり、業績を押し上げた。今年2月に、新たに代表取締役会長兼社長に就任したマーク・ハッソン氏は、直近でも肺線維症治療薬・ジャスケイド、抗がん剤・ヘルネクシオスの2製品の承認を取得したことに触れ、「我々にとって非常に重要な時期だ」と強調。山形工場に投資を進めていることも紹介し、「日本を単なる市場として捉えているわけではなく、研究開発や生産など、様々な面からパートナーと位置付けている」と表明した。

◎神戸研究所は「早期の創薬力向上に貢献」 パートナーシップイベントを開催も

ベーリンガーインゲルハイムのグローバル全体での売上高は対前年同期比7.3%増の278億ユーロ。ハッソン社長は、「ベーリンガーにとって日本は 2番目に大きな市場。戦略的に重要な位置づけにある」と述べた。

同社は神戸医薬研究所を有しており、グローバルでも「重要な拠点」の一つに位置付ける。ハッソン社長は、「この研究所を通して早期の創薬力の向上に貢献していきたい」と力を込めた。2026年2月には、Nakanoshima Qrossと共催で創薬スタートアップ・アカデミア向けパートナリングイベントを開催。画期的なシーズの実用化や共同開発の可能性について議論を行った。ハッソン社長は、「これからも日本のイノベーションをサポートしていくというお約束をさせていただいた」と話した。

もう一つの日本における同社の強みとして、生産拠点として山形工場を有することをあげた。25年6月には、山形工場への総額3億ユーロの投資計画を発表。26年2月より、新製剤棟が稼働を開始し、さらに新たな製造棟にも着工が進められており、投資を継続している。当初は日本向けの製品を生産してきたが、「コスト効率の良さや品質の良さもあり、山形工場からアジア・オセアニア地域への輸出を行っている」と説明。「日本だけでなくアジア・オセアニア地域全体に利益をもたらす機会があると確信しており、投資を行っている」と述べ、アジア・オセアニア地域のハブ製造拠点として、さらなる進化を目指す姿勢を強調した。

◎日本売上高は7年連続増収 ジャディアンスのCKD適応が成長ドライバーに

日本の医療用医薬品事業の25年売上高は前年同期比7.9%増の2713億円(薬価ベース)。ジャディアンスファミリーが1369億円 (21.3%増、うち、ジャディアンス:979億円(24.6%増)、トラディアンス390億円(13.7%増)、オフェブが716億円(7.3増)売上げ、成長を牽引した。特にジャディアンスは、24年に慢性腎臓病(CKD)の適応を追加したことが成長ドライバーとなった。

25年11月には非小細胞肺がん(NSCLC)治療薬・ヘルネクシオス、26年5月には、肺線維症において初のPDE4B阻害剤となるジャスケイドが承認された。ヘルネクシオスは「HER2(ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」の一次治療薬として適応追加を承認申請中だ。荻村正孝代表取締役 医薬事業ユニット統括社⾧は、「この薬剤を必要とする患者さんに迅速にお届けし、その結果、オンコロジー領域を中核事業の一つとして成長させていくことを目指している」と意気込んだ。

◎30年までに10件以上の申請・上市目指す 肥満症治療薬候補も

今後は、30年までに10件以上の承認申請・上市を目指す。後期開発品には、肥満症およびMASH治療薬候補でGLP-1/グルカゴン受容体デュアルアゴニストのsurvodutideや気管支拡張症治療薬候補・verducatibなどがあることも紹介。注力領域の開発・上市に向けて今年1月事業部を、心・腎・代謝領域事業本部、肥満・肝・代謝疾患領域事業本部、肺線維症・炎症領域事業本部、オンコロジー&エマージング領域事業本部に再編したことも報告。「4事業領域で研究開発を強力に促進し、新たなパイプラインをいち早く日本の患者さんにお届けすることを目指す」と語った。

荻村氏は、「非上場企業として、長期的な視点で日本の医療にかかわるステークホルダーと協力し、新たな価値を継続的に創出することに注力したい。我々日本ベーリンガーインゲルハイムは日本に注力し、日本の患者さんにイノベーションをお届けする。これを実現したい」と強調した。患者の治験へのアクセスを向上させる目的で、“治験アンバサダープロジェクト”を立上げ、患者団体や他の製薬企業、アカデミアなど複数のステークホルダーと協働しながら発展させ公共化するなど、環境整備にも注力する姿勢を示した。


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