アステラス製薬は10月７日、男性での下痢型過敏性腸症候群治療薬イリボー錠
（一般名：ラモセトロン塩酸塩）を発売する。腸管神経の強い緊張で腸の運動
が活発になりすぎることで起こると考えられる過敏性腸症候群に対し、消化管
の動きに活性化させるセロトニンと５-HT3受容体との結合を阻害することで症
状を改善する。１日５μgを１回。治験では、投与12週目で42.1％の人が「症
状がなくなった」または「かなり改善した」という結果が得られている。

中小病院と開業医に対しては泌尿器・消化器・感染症担当のMRが、大規模病院
にはイリボーの品目担当MRが営業にあたる。売上目標は初年度20億円、ピーク
の９年目は112億円（中医協資料）。

過敏性腸症候群は、患者数は男女合わせ推定で1200万人いるとされる。下痢型
と便秘型と混合型があり、男性では半数近くが下痢型、女性は便秘型がやや多
く下痢型は２割弱。同社は、被験者不足で用量設定ができなかった女性に対し
ても適応取得を検討しているという。