明治製菓は、４月からスタートさせる予定の11年度までの次期中期計画「JUMP!
11」で、薬品事業については新薬、ジェネリック（GE）、海外事業で攻勢に転
じる姿勢を打ち出す方針だ。新薬事業は、09年に発売予定の新薬２製品を軸に
展開し、そのためMRを100人増の800人体制に向け増強を図る。海外事業では得
意の感染症領域を軸ロシアを皮切りに東欧、中南米といった高い市場成長が見
込まれる新興国での事業開拓に着手する。GE売上高は180億円（08年度予想100
億円）を目指す。

09年発売予定の新薬は、新規作用の抗うつ薬リフレックス錠と難治性中耳炎に
用いる小児用カルバペネム系抗菌薬オラペネム細粒。その発売と将来の展開を
にらみ、MR800人体制に向け増員する方針。その中でCNS（中枢神経）領域の専
任MRは100人増員し200人体制にすることを視野に、09年は130人体制にする。
感染症領域では、新薬とGEとの組み合わせにより治療戦略を提案するなど、費
用を含めた治療法の選択肢を提供する。それらによって営業力の強化を図る。

これは薬品カンパニープレジデントで松尾正彦取締役専務執行役員が１月７日、
専門誌記者団との懇談で明らかにしたもの。同氏は「（現中計中の）今までは
守りに徹して耐えてきたが、次期中期計画では攻めに転じようと思う」と述べ
た。数値目標は取締役会の承認を得ていないとして開示しなかった。なお、こ
の新中計は明治製菓のもので、それを踏まえて４月に明治乳業と統合すること
によって５月中にも公表されるとみられる中計は別途策定される。