日本医薬品卸業連合会の松谷高顕会長（東邦薬品会長）は３月27日、東京都内
で会見し、卸連の会長職を５月の任期満了をもって退任し、次期会長候補には
現時点で、別所芳樹副会長（スズケン会長）が挙がっていることを発表した。
松谷会長の退任と、別所副会長を次期会長候補とすることは、３月24日開催の
卸連正副会長会議で満場一致で了承され、引き続いて開かれた常任理事会に報
告された。次期会長は５月28日に予定する総会で正式決定する。

卸連は今後も次期会長の立候補者を募るが、松谷会長は会見で、「今のところ
対抗馬は現れていない。基本的に（別所副会長に）決まるのではないか」との
見通しを示した。

松谷氏は会長職を01年から４期８年務めた。会見で会長職を退く理由を問われ
た松谷会長は、長く務めたことに加えて流通改善への自身の取り組みをあげ、
「不退転の決意で取り組んだが、結果として（卸各社の）08年度は最悪の決算
になる。私のリーダーシップが非常に欠けていたと、最後は忸怩たる思いだ」
と話した。その上で、別所副会長が現在、流通改善及び業界の新薬価制度案を
検討するリーダーを務めていることを紹介しながら、「力のある方が会長職を
引き受けてくれる。卸としては、更に流通改善に力を入れていくとの表れと受
け止めてほしい」と述べた。

別所副会長は以前から会長候補にたびたび名が挙がっていたが、これまで固辞
していたという。ただ、今回の正副会長会議では、別所副会長を除く他の正副
会長全員が別所氏を推薦、松谷会長は会見で、「全員一致だったから、（別所
副会長に）お願いしやすかった」と振り返った。

一方で、松谷会長は在任中、「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」（流
改懇）や卸版の官民対話といった、流通現場の課題を流通当事者が話し合う場
を設けることを実現、「私としてはよかったと思う」と笑顔で語った。