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アステラス・野木森社長 成長ドライバーはベシケア、中計の達成困難に

公開日時 2009/05/17 23:00

アステラス製薬の野木森雅郁社長は5月14日、都内で行った決算説明会で、今
年欧米で特許が切れる主力の免疫抑制剤プログラフ、排尿障害改善薬ハルナー
ルの収益への影響が懸念されていることに関し、「3月の投資家への訪問で、
弊社に対する将来への懐疑的な見方を痛感した」と説明。「今後の成長を牽引
していくのはベシケア(過活動膀胱治療薬)」と話し、同剤の売上最大化に加
え、国内市場のシェア拡大により、成長を目指す考えを強調した。

野木森社長は、米国で昨年特許が満了したプログラフについて、5月13日時点
で後発品の承認は確認されていないとしつつ、09年度は7%(現地通貨)の売
上減を見込むと説明。欧州でも6月に特許切れとなるが、「米国に比べ後発品
の影響は穏やかであると見ているが、価格に対するプレッシャーを受けること
が想定される」と述べ、09年度に4.1%(現地通貨)の売上減を予想している
とした。

一方、今年10月に米国で特許が満了するハルナール(米国販売名:フローマッ
クス)に関しては、半年間の独占期間延長を経て、10年3月に印ランバクシー
社から後発品が発売されるという。「急激な減少を見込んでいる」と述べる一
方、ライセンスビジネスのため「自社販売モデルと比較して、特許切れの影響
は比較的マイルドと考えている」との見方を示した。

これら国際戦略品の特許切れの影響を、着実に成長しているベシケアと国内売
上の最大化でカバーしたい考えだ。疾病啓発活動や営業活動の強化により、09
年度のグローバル売上は前年比18%増の842億円を見込む。10年度に申請を予
定している新規メカニズムの過活動膀胱治療薬ミラベロン(「YM178」、日米
欧でフェーズ3)とあわせ、グローバルの過活動膀胱市場でトップシェア獲得
を目指す。

国内市場は武田薬品に次ぐ2位のシェア(7.2%)を確保しているが、今後売
上への貢献が期待されるのが、ベシケア、消炎・鎮痛剤セレコックス、抗菌剤
ジェニナック、下痢型過敏性腸症候群治療薬イリボー、骨粗鬆症治療薬ボノテ
オなどの新製品。09年度は5製品の売上で前年比44%増の540億円、将来は100
0億円への拡大を目指し、国内でトップシェアを狙う。

一方、中期経営計画の最終年度にあたる10年度の経営目標として売上高1兆60
0億円、営業利益2800億円を掲げていたが、その達成が困難になったことも明
らかにした。理由に「昨今の世界的な為替変動や先進国での医療費抑制策の促
進、米国での新薬承認の遅延などの大きな市場環境の変化」を挙げ、「現状で
は達成は厳しい」とした。

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